2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K03790
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
上村 敏之 関西学院大学, 経済学部, 教授 (00328642)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 税 / 社会保障 / エージェントベースドモデル / マイクロシミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究実施計画においては、平成29年度は準備作業に充てる期間として位置付けらていた。第1に、エージェントベースドモデルによる分析は、専用ソフトNetlogoの使い方の習熟から開始した。社会契約論のシミュレーションについては、ホッブズの「万人の万人に対する闘争」をモデル化し、その概要について関西公共経済学研究会にて報告をした。報告では、多くの有益なコメントをいただいた。ただし、まだ論文を書くまでには至っていない。第2に、マイクロシミュレーションモデルについては、金田陸幸・尾道市立大学経済情報学部・講師との情報交換を行った。金田氏は、すでに厚生労働省『国民生活基礎調査』と総務省『全国消費実態調査』の個票データを入手しているため、金田氏との連携について模索してきた。なお、個票データは入手が困難であり、入手しても扱いが難しいことが判明した。そこで、個票データに頼らずとも、集計されたデータに工夫することで、税制を分析できるモデルについても検討している。平成29年度中には、所得税の控除と税率が税収にいかなる影響をもたらしているかについての視点から、国税庁『民間給与実態調査』を用いた分析を行い、日本租税研究協会の税制基本研究会にて報告を行った。研究会においては、多くの建設的なコメントをいただくことができ、現時点ではそれらのコメントにしたがって研究の改善を図っている最中である。また、平成29年度中には消費課税に関する実証分析の論文が海外ジャーナルに掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究実施計画にも記載していた通り、本研究において平成29年度は準備作業に充てる期間であった。エージェントベースドモデルによる分析においては、まずは専用ソフトであるNetlogoに習熟することができたことは進展であった。さらに、まだ不完全ではあるが、社会契約論のシミュレーションモデルを開発することができた。個票データの申請については、金田講師との連携を模索しており、やや軌道修正を行った。また、個票データに頼らない分析手法を開発しており、その点は新たな視点で研究を進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究実施計画によれば、平成30年度も引き続き準備作業となっている。エージェントベースドモデルの分析では、社会契約論のシミュレーションについて論文を執筆することが目標である。また、エージェントベースドモデルでは、家族形成をモデル化した人口動態のシミュレーション分析も可能だと考えられることから、平成30年度は人口動態についても研究をしたい。この研究分野は、将来的には社会保障制度のモデル化につながると期待される。個票データについては、金田講師との連携を検討する一方、個票データに頼らない新たな分析についても研究を進めてゆく。
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Research Products
(8 results)