2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K03811
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
郡司 大志 大東文化大学, 経済学部, 教授 (50438785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 憲治 法政大学, 経済学部, 教授 (10308009)
三浦 一輝 常葉大学, 法学部, 准教授 (70711159)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 非伝統的金融政策 / 日本銀行 / ETF / 量的緩和 / マイナス金利政策 / DiD / RDD |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は4つの研究から構成されている。第1の研究テーマである、日銀のETF購入効果の日次推定はデータの収集、推定がほぼ終わり、連携研究者と文章の調整をするところまで至った。推定モデルに柔軟性があり、どのような設定にすべきか悩ましかったが、現実を捉えるのにふさわしいモデル設定にたどり着いた。論文執筆はサーベイを進めている。 第2の研究テーマであるマイナス金利政策の銀行貸出への効果については、データ整理および推定が終わり、セミナー・学会報告を行った。論文としてはまだ不十分な箇所も多いものの、報告用のスライドはほぼ完成した。結果変数についてコメントをいただくことが多く、データを追加する作業を継続中である。 第3の研究テーマである量的緩和の家計資産への影響については、データを購入して仮推定を行った。データが多岐にわたるためどのような切り口でまとめるのかがまだ定まっていない。推定方法についても試行錯誤を続けており、サーベイも並行して続けている。 第4のテーマである日銀のETF購入が企業業績に及ぼす効果については、データの収集、推定、論文執筆もかなり進んだ。また、頑健性のチェックや効果の原因の追求などについても研究協力者・研究分担者と議論を重ね、その方針がほぼ固まった。個別銘柄ごとの日銀保有比率の推定を年度中に追加することになり、デザインから推定まで滞り無く進んだ。全体としては作業が膨大であるため、当該年度に完成には至らなかった。 以上、作業の進み具合にそれぞれ差があるものの、概ね当初の計画通りに進んでいる。特に、第2、第4のテーマについては次年度には論文も完成し、学会・セミナー報告も済ませられる可能性が高い。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究テーマ2についてはデータが比較的容易に入手でき、かつ推定についても問題が生じなかった。推定デザインの段階でかなり頑健なモデルができあがっていたため、予定通りに推定が行われたことが大きい。 研究テーマ4については1~2ヶ月に1度、研究協力者・研究分担者とミーティングを行い、推定の方針や論文の構成などについて議論を重ねることができ、進度が予定より早まった。予定にはなかった推定を追加したものの、ほとんど問題なく速やかに推定ができた。さらに、新たな視点も見つかり、論文としての厚みが増してきている。 研究テーマ1と3についてはやや進度が遅れているものの、どちらも推定は順調に進んでいる。説得力のある推定方法や変数の設定について試行錯誤が続いているが、次年度の予定には間に合いそうである。
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Strategy for Future Research Activity |
第1の研究テーマは、次年度にはセミナー報告等を重ねて学術雑誌に投稿したい。第2の研究テーマはスライドの作成は済んだものの、論文としてはまだ不十分な箇所も多いので、セミナーでのコメントをもとに改訂をしていきたい。第3の研究テーマはデータが多岐にわたるためどのような切り口でまとめるのかが定まっておらず、推定の精緻化もふくめて丁寧に論文作成を進めたい。第4のテーマは次年度には推定が終わり、学会・セミナー発表を複数行えそうである。
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Causes of Carryover |
国際学会での発表を複数計画していたが、旅費が少なくて済んだことが大きい。次年度以降も積極的に国際学会で研究報告・議論を重ねていきたいので、同様の支出が必要になると思われる。
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