2022 Fiscal Year Research-status Report
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17K03852
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
大島 朋剛 神奈川大学, 経済学部, 准教授 (20619192)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 酒造業 / 清酒容器 / ブランド / 酒米 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究「近現代日本における酒類消費に関する研究」は、当初令和2年度を最終年度とする予定であったが、新型コロナウィルス感染拡大の影響により期間を延長していた。令和4年度も前半には現地調査が難しい状況にあったものの、後半になるとようやく自由な研究調査の実施が再開できるようになった。 本年度行った酒の消費に関わる研究の1つは、用いられる容器の素材の変化が清酒の品質(味)に及ぼす影響とそれを酒造メーカーがどのように捉えていたのかということについてであった。樽の材料である杉材の生産地の違いが、清酒メーカーのブランド戦略にどのような影響を及ぼしたのかについて、灘五郷の大手酒造メーカーにおいて収集した一次史料を整理する中で明らかとなってきた。 また、令和5年2月に実施した上記メーカーの史料調査においては、清酒の銘柄における高級品と低級品の出荷に関する史料を収集し整理した。そこからは販売地域ごとに銘柄を変えながら、全体としてはブランド評価を維持し得た要因を考えなければならない課題も生まれた。それと併せて、大手メーカーの原料米仕入れに関する史料の整理から、新興産地の追い上げに対して、独自の路線を進んだとされる灘の酒が、大衆の好むタイプの酒の味に変化する過程とその時期を見出すこともできたことは大きな成果であった。 消費との関連では、令和5年3月に愛知県半田市にかつて存在した料亭の史料整理に参加した。そこでは、戦前・戦後の料亭において、如何なる種類・ブランドの酒が飲まれていたのか、その一部を知ることのできる可能性をもつ史料群であることを確認した。 最後に、秋田県鹿角市で続けてきた旧関善酒店史料調査がコロナ後初めて再開され、3日間のべ4名により目録の作成を続けた。その期間中には、同史料の保存に関して、鹿角市長とも懇談する機会をもった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究のメインテーマである「清酒の消費」に関連した研究、史料調査は順調に進んでおり、それらの整理分析からは新たな課題も生まれてきている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は延長を重ねた上での最終年度となるため、できるだけこれまで調査・整理・分析してきたことについて、論文等の成果を公表できるように研究を進めてゆく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大により予定していた史料調査・整理が実施出来なかったため「次年度使用額」が「0」より大きくなった。次年度は最終年度となるため、予定している史料調査の実施、目録冊子の作成によってすべての助成金を使い切る予定である。
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Research Products
(3 results)