2021 Fiscal Year Research-status Report
17-19世紀におけるヨーロッパ繊維産業の繊維横断的研究
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17K03858
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Research Institution | Seijo University |
Principal Investigator |
竹田 泉 成城大学, 経済学部, 教授 (20440216)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 繊維産業 / アイルランド / アメリカ植民地 / リネン / グローバル・ヒストリー / 18世紀 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、17-19世紀ヨーロッパの繊維産業史を再解釈することを目的としている。「綿業」「絹業」といった繊維別の議論ではなく、作られたモノの性質に着目することと、グローバルな視点の採用が本研究の特徴である。 2021年度の主な研究活動は以下の通りである。第1に、18世紀アメリカの奴隷衣服用の布という具体的なモノについての国際共同研究を引き続き行った。担当であるアイルランドについて、オズナバーグやダウラスと呼ばれる粗質の布生産の実態を明らかにした。その成果として執筆した論文は、他の共同研究者の論文とあわせて書籍として出版する予定であり、現在そのための準備をおこなっている。 第2に、グローバルな繊維産業の世界史を描く共同プロジェクトが進行中である。参加者それぞれの専門分野を結集し、各繊維産業のグローバルな連関とそれらの歴史的変容・展開を明らかにすることが目的である。現在、研究会を重ね、成果物としての論文を執筆中である。 2021年度も、新型コロナ感染症拡大の影響で、海外調査を行うことができなかった。本研究では、ヨーロッパおよびアメリカ合衆国での資料調査を予定していた。また研究の進展と共にアジア(中国など)での調査の必要性も出てきた。しかし、2019年度の春以来、渡航を延期せざるを得ない状況が続いている。2021年度は、できる限り他の活動での代替を試みたが、海外資料調査は本研究の要でもあるため、2021年度の研究活動は限定的なものにとどまった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度も引き続き、コロナ感染拡大の影響を受け、海外資料調査が実施できなかったため。他の活動で一部代替したが、海外資料調査は本研究の要であるため、当初予定していたスケジュールで研究を進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
海外での資料調査を再開するためには、海外渡航が可能となるだけではなく、調査先の受け入れ状況の改善も待たなければならない。2022年度も海外資料調査ができない場合は、これまで収集した資料の整理や、オンラインのデータベースの活用など、実施可能な作業を行い、なるべく研究の推進に支障が出ないように工夫したい。 [研究実績の概要]で書いた共同研究、プロジェクトは、2022年度もzoomなどを有効に活用し、進めていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症拡大により、海外資料調査ができなかったため。 2022年度に状況が好転した場合、調査を実施する。
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