2018 Fiscal Year Research-status Report
Reception and transfromation of organziational forms in Asia - A comparative analysis
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17K03866
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
清水 剛 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00334300)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 経営組織 / 会社形態 / 株式会社 / 会社法 / 社会主義 / 国営企業 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
研究の第二年度に当たる本年度においては、引き続き日本を中心に人々が会社形態をどのように受容し、またどのように利用していたのかという点を検討し、とりわけ会社形態の利用が資金調達を目的としたものから経営の近代化や大規模化における組織のマネジメントを目的とするものに移行していく点を明らかにしてきた。とりわけ、日本の出版社の事例を通じて、既に戦前期において株式会社を資金調達あるいは有限責任の利用といった目的ではなく、経営の大規模化と専門化に伴って、従業員に経営に対する責任を持たせ、経営者を育成するために利用している例があることを示した（前島志保・東京大学准教授との共同研究）。また、人々の会社形態に対する認識と利用をコーポレートガバナンスのあり方から検討し、戦前期のコーポレートガバナンスにおいて株主が影響力を持つ一方で、取締役会や代表取締役といった制度が発展し、専門経営者による経営を支えていたこと、戦時期の経験と戦後改革、そして1950年商法改正とが相互作用した結果、専門経営者による支配が確立したことなどを明らかにした。また、昨年度から研究を進めている財閥における専門経営者のコントロールのあり方についても引き続き検討を行った。
また、これと並行して、ベトナムと中国を中心としながら、社会主義経済における会社形態である国営企業、集団所有制企業、個人企業について、その会社形態と組織の管理との関係を検討し、これらの企業に共通する出資者と経営者の未分離という問題が社会主義国における新しい会社形態の導入や企業改革の要因になっていること、しかし社会主義的会社形態と資本主義的会社形態の併存が新たな問題を引き起こしていることを明らかにした。
また、派生的な研究として、組織間関係の法的形態と実態との関係に関する研究、及び貿易や投資に関する国際的な法的枠組みと企業行動との関係についても検討を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は日本における会社形態の受容及び利用については引き続き想定以上に順調に推移しており、出版社という具体的な事例を利用することで、従来の会社法学等で想定されている資金調達や有限責任のための株式会社形態の利用という考え方に対して、そうではなく組織との関係から会社形態が利用されうることを明らかにしたこと、またコーポレートガバナンスという視点を導入することで具体的な会社形態の利用とその発展についてより詳細に明らかにすることができたと考えている。また、ベトナムと中国のような社会主義経済について、社会主義的な会社形態とそこにおける出資者と経営者の未分離という問題を明らかにすることを通じて、これらの国々における会社形態の利用について踏み込んで考えることができた。本年度は韓国についての研究があまり進展しなかったことを考慮に入れたとしても、当初の計画以上に進展していると考えてよいと思われる。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後はベトナムや中国についても、会社形態に関して具体的な会社の事例に踏み込む形で会社形態の利用とそこにおける問題点を明らかにするとともに、当時の教科書や政府刊行物、議事録や新聞記事等も利用しながらこれらの国々における制度の発展を検討する。また、韓国については現在は植民地期のデータの検討のみにとどまっているが、当時の新聞等を利用して植民地期における会社制度の受容や利用を明らかにするとともに、そのような認識や利用の仕方が大韓民国の成立後にどのような影響を与えたのかも検討する。
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