2018 Fiscal Year Research-status Report
Designing culture for creating value in the society
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17K03875
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山内 裕 京都大学, 経営管理研究部, 准教授 (50596252)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Culture of services / Ethnomethodology / Service design |
Outline of Annual Research Achievements |
価値を作る実践として、サービスの文化をデザインする実践を観察し、分析している。具体的には、すでに収集したバーやアパレル店における客とのやりとりのビデオデータの分析を継続し、学会で発表すると共に、ジャーナル論文に仕上げつつある。 バーの論文は参与者がメニュー表を用意せず、また曖昧な注文を扱うことで多義性を作り出し、多義的な状況で自己を呈示するリスキーな行為により意味付与をする、価値づくり実践を記述した。この分析を踏まえて、センスメイキングの領域で理論的貢献を行うべく、現在ジャーナルに投稿中である。 アパレル店の分析では、客を見るという側面を着目し、J.-P. サルトルのまなざし概念を利用して、見る主体と見られる客体が組織化においてどのように配分されているのかを記述している。特に、店員が客を見るとき、他の仕事をしながら見ていないように見ること、店員が鏡の前などで自分を客体化したときに、店員が客を見ることができることなどの実践を記述している。この論文は学会(EGOS)で発表しフィードバックを得て、現在分析を精緻化している。 さらに、サービスデザインの方法論を「文化をデザインする」という視点で定式化している。単に利用者の求めるものをデザインするのではなく、社会の変化に伴う人々の自己表現に関する不安を捉え、新しい文化を形にしていく方法論を提案している。この内容は、インターネットや基調講演など様々なチャンネルで情報発信を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りデータの収集と分析が進み、最終年度に向けて論文として発表する段階に進んでいる。サービスデザインのための方法論も詳細化し、すでに各方面で発表している。特に進捗を阻害する要因はない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究を継続して、ジャーナルに投稿しているバーの研究の論文を進めると共に、アパレルの論文を仕上げてジャーナルに投稿する。アパレルの論文については、ほぼ分析が完了しており、今後は理論的貢献を組み立てることに注力する。サービスデザインについては、引き続き情報発信を進めていく。
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Research Products
(7 results)