2019 Fiscal Year Annual Research Report
Designing culture for creating value in the society
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17K03875
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山内 裕 京都大学, 経営管理研究部, 准教授 (50596252)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 文化 / 価値創造 / サービス科学 / エスノメソドロジー / 工芸 / 価値づけ |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度として、論文執筆を進めてきた。鮨屋のサービスにおける文化的な側面の論文がJournal of Management Studiesに採択された。この論文では、ルーチンが相互に認識可能になるために、複雑な参与枠組を利用していることを示した。結果的に閉じられたように見えるルーチンも、遂行時点では様々な別のルーチンを利用することで、認識可能性を達成していることがわかった。 また、フランスにおけるワインの注文およびテイスティングの研究を、EGOS年次大会(2019年7月)で発表した。この発表を踏まえて、共同研究者バーゼル大学ロレンザ・モンダダ教授と協力して、参加枠組および価値づけに関する分析を進めている。特に、一人の客がワインをテイスティングするときワインを見るか中空を見ることで相互行為から離脱し、他の客も目を背けることで参与枠組を構築している様子を精緻に分析した。また、ワインのテイスティング儀礼を実行するとき、単に儀礼を遂行しているのではなく、客がワインを本当に理解していることを示す手続を分析した。例えば、客がワインを吟味し自身の判断を構成するために3.5秒程度の時間を取るなどが観察された。 その他、文化のデザインに関して、外国人招聘研究者として招聘したコペンハーゲンビジネススクールのロビン・ホルト教授と共同で論文を執筆すると共に、工芸・クラフトに関する22件のインタビューを重ね、初期の論文を執筆し、EGOS年次大会で発表する予定である。 計画していたバーの研究は、引続き採択に向け研究を進めている。 以上のような研究を踏まえ、文化のデザインの方法論を構築している。社会の変化を読み解き、人々のアイデンティティプロジェクトを理解する方法論を提案し、いくつかの企業との協業を通して実践し改良してきた。この方法論を実践に適用するために、アートシンキングワークショップをデザインした。
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Research Products
(7 results)