2017 Fiscal Year Research-status Report
ビック・ピクチャデータ分析の方法論確立のためのシステム構築と基礎研究
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17K03992
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
江戸 克栄 県立広島大学, 経営管理研究科, 教授 (80318592)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マーケティングリサーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度はビック・ピクチャデータの課題として「データの基本的特性」について研究することを計画していた。この課題において、本年度の研究の焦点は、利用者の「ピクチャアップロード行動や意識」(行動意識調査)と「ピクチャデータに影響を与える社会的要因と文化的要因」(社会文化調査)の2つのテーマであった。 ①ピクチャアップロード行動や意識の研究 「ピクチャアップロード行動や意識」はピクチャアップロードのための小規模モニターシステムを構築し活用する予定であったが、オペレーションが困難であること、費用対効果が得られない可能性が高いこと、さらには今までのピクチャマイニング分析手法が活用できないことから、現時点では見送ることにした。次年度以降への構築を目指していく予定である。本研究テーマに対しては、インスタグラムとツィッターに投稿されている写真とコメントについて定量的分析を行った。代表的なテーマパークのピクチャアップロード行動や意識を分析した結果、インスタグラムは過去・未来志向、ツィッターには現在志向の傾向があることがわかってきた。さらなる検証が必要であると考え、次年度以降も引き続き研究対象としていく。 ②ピクチャデータに影響を与える社会的要因と文化的要因 ピクチャデータに影響を与える社会的要因や文化的要因については、主に定性調査による研究を予定していた。当初予定の3カ国でのインタビューを実施することはできなかったが、2018年3月にマレーシアで開催された国際学会において、ピクチャマイニングについて議論することができた。そこでは社会的要因や文化的要因をどのように考慮していくのかが検討された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度基盤C「マーケティングリサーチとしてのピクチャマイニングの確立とその適用領域の拡大」を諸事情により平成29年度に延長申請を行い研究していたこともあり、本研究の平成29年度研究計画の準備体制を整えるのがやや遅れてしまった。そのため、小規模モニターシステムを構築、運用することができなかったが、本研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年の研究により、ピクチャアップロード行動や意識は、本研究課題にとって最重要テーマであることがわかってきた。この課題に対して、十分な解明がなされないと、この先のビッグピクチャデータの分析への展開が困難であるため、研究計画の修正を行い、平成30年度はピクチャアップロード行動や意識について重点的に行うものとする。本年度の研究成果を学会報告や論文として公表できていないので、これらにも注力していく。平成30年度研究計画において、ピクチャリサーチの最適適用領域を行う予定であったが、これについては平成30年度後期に基本的研究を行い、本研究を推進していく。
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Causes of Carryover |
当初、小規模モニターシステムを構築する予定であったが、オペレーションが困難であること、費用対効果が得られない可能性が高いこと、さらには今までのピクチャマイニング分析手法が活用できないことから、現時点では見送ることにしたため、「その他」の費用に差額が生じることとなった。また、グローバル領域での適用可能性について定性調査を行い、インタビューを実施する予定であったが、これを実施することができなかったことが「旅費」に差額を生じさせる原因となった。次年度以降にモニターシステム構築およびグローバル領域の研究を行う予定であり、そのための資金として翌年度分として活用していく。
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