2020 Fiscal Year Research-status Report
ビック・ピクチャデータ分析の方法論確立のためのシステム構築と基礎研究
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17K03992
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
江戸 克栄 県立広島大学, 経営管理研究科, 教授 (80318592)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ピクチャマイニング / ビッグピクチャデータ / 防災マーケティング / ソーシャル領域 / 恐怖感情 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、ピクチャマイニングの最適適用領域として有効性が認められるソーシャル領域の一つとして、防災分野におけるピクチャマイニングの有用性について研究を行った。2020年2月に行った避難行動意識に関するインターネット調査(10000人)の調査結果を中心に、防災ピクチャマイニング及び防災マーケティング研究を本年度は行った。本調査は、2018年から2019年に風水害により甚大な被害に遭った地域(宮城県、千葉県、神奈川県、大阪府、兵庫県、広島県、福岡県、熊本県)計8県の男女に対して行ったものであるが、ピクチャを提示し、恐怖感情喚起を促進する要因について研究したものである。 2020年9月には、日本感性工学会の査読セッション(オンライン)で、「避難行動促進のための恐怖感情喚起-防災・減災分野への消費者情報処理モデルの適用-」(共同研究)の報告を行い、論文執筆をした。本研究では、消費者行動研究の基本モデルを適用し、避難行動に至るまでのピクチャの情報処理についての研究を行った。また、2020年9月には、日本商業学会で「防災マーケティングの役割と基本的概念 -防災・減災分野における社会システム構築に向けて-」(単独研究)も行い、防災分野におけるマーケティングおよびマーケティングリサーチ研究とその体系化を試みた。 さらに、最適適用領域の研究の一環として、2020年12月から2021年3月にかけて、フラワーライフ振興協会からの受託研究として、ピクチャマイニングを適用したライフスタイル分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究事業は、研究代表者が平成30年度から経営管理研究科ビジネス・リーダーシップ専攻の専攻長に任命されたこと、平成30年7月の西日本豪雨の影響を受けて、もともと「やや遅れている」状況にあった。令和2年3月以降の新型コロナウィルスの影響により、国内移動の自粛や海外渡航の制限がかかり、対面方式での定性的分析が重要となっているピクチャマイニングの研究が研究チームとして行うことが限定されてしまった。オンラインでの研究会を実施してはいるものの、十分な研究成果に結びついていないのが現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に基づき、ビッグピクチャデータの定量的な分析手法を開発していくことが今後の研究の推進方策である。ピクチャと防災分野における研究を推進していくだけではなく、AIを用いた分析を行うための教師データを収集・分析することを研究の柱として推進していく。
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Causes of Carryover |
当初行う予定であった、ビッグピクチャデータの定量的分析のシステム構築を変更しており、社会的要請に応える形でソーシャル分野のピクチャマイニング研究に集中していたため、ビッグピクチャデータの収集分析のための支出をしなかった。また、新型コロナウィルスによる影響を受けて国内外の移動を行うことができなかったため、旅費の支出も少なかったため、次年度使用額が生じた。本年度は、新型コロナウィルスの影響にもよるが、研究会をオンラインで開催できるように工夫して、研究事業計画を推進していく。
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