2017 Fiscal Year Research-status Report
東アジアにおける商人家族の様相と理論展開に関する研究
Project/Area Number |
17K04016
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Research Institution | Yamanashi Gakuin University |
Principal Investigator |
張 華 山梨学院大学, 現代ビジネス学部, 准教授 (10580756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
侯 聡聡 九州産業大学, 商学部, 講師 (00613465)
渡邉 孝一郎 九州産業大学, 商学部, 講師 (60616671)
松田 温郎 山口大学, 経済学部, 准教授 (60632693)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 人的ネットワーク / 商人 / ビジネス活動 / 小売商人 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、中国商人家族の研究の一環として、温州塞維喬斯儿童教育中心(株)、寧波善亮電気(株)、温州基達内衣(株)の三社を訪問し、人的ネットワークが、それぞれの会社の成長や経営において、どのような役割を果たしているかについて、経営者から話を詳しく聞くことができた。 温州塞維喬斯儿童教育中心(株)は、温州市で幼児向けの英語教育サービス、アウトドアサービス、水泳教室などのサービスを提供している。2014年に薜孝忠・薜孝偉兄弟によって、創立された同社を支えているのは、兄弟や親戚などの血縁ネットワークである。同社は、わずか3年で、温州地域の幼児向けサービス業界において、トップ3にランク・インしている。寧波善亮電気(株)は、王教授が太陽光発電パネル付きLEDライトの研究成果を生かして、2005年に設立した会社である。同社の躍進を支えているのは、王教授が大学、役所、企業界における広い友人のネットワークである。省エネの流れとともに、寧波の市町村のLEDライトの設置が急ピッチで進み、同社も躍進を続けている。温州基達内衣(株)は、2006年に、陳存東社長と親戚の王国維、趙国雲の三人によって設立されたインナー衣料の会社である。同社は、10年間で大きな発展を遂げ、温州市のインナー業界でトップ企業になっている。その原動力は、的確な市場戦略と家族経営である。三人の友人や親戚を同社に迎え入れ、難しい人事・労務管理に成功している。 今回の三社の調査によって、中国の商人家族に関する事例研究の土台を作っていくことができると考えられる。また、日本においては、当該科研を円滑に実施する上での基本的な理論探索と方法論の確認、予備的な調査を行った。これらを踏まえ、商人家族を商業理論上で検討するうえでの基本的な視点を設定し、今後発展的な調査を計画する上での基礎資料を作成することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度について、研究代表者と研究分担者が、事前に決められた役割分担に基づき、日中両国において、商人家族とそのビジネス活動について、計画通りに初回のフィールドリサーチを行った。 また、研究の理論的枠組みの構築についても、商学関連分野の文献レビューを通じて、先行研究を精査することができたので、平成30年度の研究継続につなぐことができると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、日中韓の三ヶ国比較調査を行うために、理論的枠組みを精緻化したうえで、質問票を作成し、具体的な調査手順や日程を決定し、質問票の配布・回収、分析を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
研究分担者の配分金額が少ないため、単年度で海外調査を行うのに限界が生じている。平成30年度に、研究分担者が中国、韓国で研究調査を行うようにするために、次年度使用額が生じてるのである。
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Research Products
(1 results)