2019 Fiscal Year Research-status Report
Colonial Power and Culture Factor in Asean Accounting
Project/Area Number |
17K04079
|
Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
松田 修 愛知学院大学, 商学部, 非常勤講師 (90291872)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 洋 名古屋文理大学, 健康生活学部, 教授 (90259325)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | アセアン会計 / 会計制度 / 会計教育 / 会計研究 / 会計プロフェッション / 会計と文化 / アセアンと宗主国 / イスラム会計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、アセアンにおける会計制度・会計教育・会計研究・会計プロフェッションについて、政治・経済・法律・文化の側面、特に、コロニアルパワー(アセアンと宗主国)とカルチャーファクター(会計と文化)の視点から比較分析を行っていく。2019年度において、研究代表者と研究分担者は、6回の科学研究費研究会を開催し、科研テーマについて意見交換を行った。2019年度は、当初の研究計画に基づいて、会計制度・会計教育・会計研究および会計プロフェッションにおけるコロニアルパワーとカルチャーファクターの調査を行い、次のような相当の成果を上げた。先行研究から知見を得るため、日本およびアセアンで公表されている国際会計、会計監査、イスラム会計の文献調査を行った。研究対象となるアセアンはマレーシア・シンガポール・インドネシア・ベトナムの4か国にわたっており、研究代表者と研究分担者の間で相互に連携をとりながら、国内外の文献調査を進め、多くの資料収集をすることができた。さらに、先行研究および文献研究によって明らかになった課題や論点を詳細に調査するため、2019年度に、インドネシア(2019年8月17日~9月8日)、シンガポール(2020年2月22日~2月29日)およびマレーシア(2020年3月1日~3月14日)の訪問調査を行った。インドネシアでは、アイルランガ大学(UNIAIR)、ガジャマダ大学(UGM)、インドネシアイスラム大学(IUI)、インドネシア大学、シンガポールでは、ナンヤン工科大学(NTU)、シンガポール経営大学(SMU)、シンガポール国立大学(NUS)、マレーシアでは、マレーシア工科大学(UTM)、マラ工科大学(UiTM)、マレーシアイスラム科学大学(USIM)を訪問し、会計教育等に関するインタビュー調査・文献調査を行った。これらの研究成果は大学紀要で公表を行う。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、インドネシア、シンガポールおよびマレーシアの国立大学を訪問し、会計教育・会計研究に関する最新の動向を把握できており、おおむね順調に研究も進んでいると考えられる。特に、国立大学で行ったインタビュー調査(Dr. Iman Harymawan of Airlangga University, Dr. Jaka Sriyana of Islamic University of Indonesia, Dr. Zuni Barokah of Universitas Gagjah Mada, Dr. Ancella Hermawan of Universitas Indonesia, Dr. Low kim Yew of Nanyang Technological University, Dr. Themin Suwardy of Singapore Management University, Dr. Susan See Tho of National University of Singapore, Dr. Azuman Hashim of Universiti Teknologi Malaisia, Dr, Mustafa Mohd Hanefah of Universiti Sains Islam Malaysia)では、コロニアルパワーとカルチャーファクターの視点から、インドネシア、シンガポール、マレーシアの会計教育・会計研究について、高品質の情報を得たと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究代表者と研究分担者が共同し、以下のような活動を行う。多くの科学研究費研究会を開催して、会計教育・会計研究・会計プロフェッション・会計制度(会計基準・会計監査)のテーマごとの研究を深めながら、テーマ全体の打ち合わせを緊密に行う。 2020年度は、当初の予定では、ベトナム・マレーシアにおける会計教育と会計プロフェッションについての研究調査を行う。会計教育では、ベトナム国家大学ハノイ校、ベトナム国家大学ホーチミン校、マラヤ大学、マラ工科大学などを訪問し、過去3年間で調査できなかった会計教育・会計研究・会計制度におけるコロニアルパワーやカルチャーファクターの影響をさらに調査する。会計プロフェッションでは、プライスウオーター監査法人ベトナム、プライスウオーター監査法人マレーシアを訪問して、これまで調査できなかった会計プロフェッションにおけるコロニアルパワーやカルチャーファクターの影響をさらに調査する。しかしながら、現在、海外における研究調査活動が非常に困難な状況であるため、現状では、2020年度はこれまで収集した文献および今後入手可能な文献のレビューに焦点をしぼり、「アセアン会計におけるコロニアルパワーとカルチャーファクターの研究」における研究活動を行っていく。
|
Causes of Carryover |
人件費・謝金を計上していたが,会議における通訳を研究代表者および研究分担者で行ったため、人件費・謝金は0円となった。また、2020年2月および3月支出の海外出張旅費等(研究代表者333,000円)の支払が2020年4月以降となったため、2020年度の研究費支出となった。2020年度の使用計画は、海外訪問時の通訳料を人件費・謝金として当初の計画通り計上する。次年度使用額が生じた研究費は、アセアン会計に関する海外発行書籍・国内発行書籍の購入費用、海外ミーティングでの報告・文献調査のための費用として利用する。2020年度は、これまで行ったミーティングの内容を考慮し、研究活動を行っていく。
|