2019 Fiscal Year Research-status Report
「地方消滅」言説下における、脱「選択と集中」型まちづくり形成過程に関する比較研究
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17K04132
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
矢部 拓也 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 教授 (20363129)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 地方創生 / まちづくり / インバウンド / サイクルツーリズム / 中心市街地活性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ワンショットサーベイにならず、長期間に関わる継続した調査により、地域社会の変化を明らかにすることを目指している。本年度は、多忙につき、参与観察を行うために日程が取れなかったために、期間延長を申請しました。そのため、当初の目的から比べると一部の研究しか進めることができませんでした。 ただし、インバウンド観光研究として、新たに、クルージング研究を開始することができた。大阪港ー釜山を結ぶパンスターを事例とした研究を開始した。現在、大阪港ー釜山を結ぶパンスターは韓国人の利用が中心であり、日本人の利用客増大を目指している。クルージングブームが世界的な潮流になる中で、どのようにこの路線が展開してゆくのかを研究しようと考えている(ただし、現在はコロナ問題のために本年度の研究は一旦中止している)。 これまで継続している滋賀県長浜市では、駅前の再開発に続き、中心市街地の再開発事業の工事が始まり、加えて、中心市街地周辺部の市役所および新しい公共施設(図書館や子ども向けの福祉関連)の再開発が完了し、これまでの伝統的なまちなみを中心としたリノベーションによるまちなかの風景から、再開発中心のまちなみへと変わってきていた。まちづくり会社の先駆けである第三セクター黒壁であるが、スタートアップを支えた地元の中心人物は役員を退き、新たな外部の人間や行政メンバーが占めるようになった。これまで民間主導のまちづくりとして位置づけられていた長浜であるが、徐々に行政のかかわりが、大きくなっているようである。これは必ずしも長浜だけの傾向ではないと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
諸事情により当初予定しなかった用務が重なり、参与観察・聞き取り調査を行うことができなかったため、次年度への研究期間延長を申請しました。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本年度できなかった海外調査や北海道のサイクルツーリズム調査を行う予定でしたが、コロナ問題で調査が実施できるかはわかりません。本研究は、滋賀県長浜市をはじめとして、熊本市や高松市、北海道のインバウンドサイクルツーリズムなどの同一事例の長期にわたる調査を目的としているために、参与観察や対面によるラポール形成を特徴としているが、状況に応じて、webによる遠隔調査などに切り替えてゆこうと考えています。
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Causes of Carryover |
本年度、申請当初に予想しなかった用務が発生し、多忙につき、予定した参与観察や聞き取り調査のめどが立たず、次年度使用額が生じた。次年度は、これまでできなかった参与観察や聞き取り調査のための旅費に使用する予定である。但し、コロナ問題で計画通りに進められるかは疑問がありますが、柔軟に対応してゆきたいと考えています。
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Research Products
(3 results)