2019 Fiscal Year Research-status Report
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17K04301
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
新山 真奈美 東京工科大学, 医療保健学部, 准教授 (00726515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 弘己 東洋大学, 人間科学総合研究所, 客員研究員 (80291144) [Withdrawn]
夏梅 るい子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (00781105)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 若年性認知症 / 就労支援 / 当事者と行政とのズレ / 家族の思い / サポート企業 / 若年性認知症支援者 |
Outline of Annual Research Achievements |
若年認知症罹患者の就労の現状は、新オレンジプランにおいて需要な課題とされているものの、喫緊の問題となっているといえる。しかし、当事者やご家族を支援する就業に関する制度やサービスは、情報が届きにくく、十分に活用されているとは言えないと考える。本研究は、若年認知症者の就労支援の課題や方向性を見出し、若年認知症施策の充実に役立てることを目的とした。2019年度は、1)当事者からの面接調査の実施から、若年認知症者の就労の現状と課題の検討、2)就労支援に関わる雇用側の現状に関する文献レビュー、就労支援に関わる雇用側に対する面接調査・質問紙調査の実施、である。当事者からの面接調査の実施については、前年度から引き続き、2名の若年性認知症者に対して就労に対する思いや発症後の就労の現状、現在の状況について聴取した。2名からは雇用側の理解や配慮により定年まで就労できたことへの満足感があった。 就労支援に関わる雇用側の現状と課題について、厚生労働省の資料や先行研究に関してレビューを行い、若年認知症者と雇用側の現状は把握できた。若年性認知症の就労意欲は極めて高く、一方で相談時には、すでに職場を退職されている方が多く、結果、就労移行支援、就労支援事業所等の福祉的な事業所での就労が主体となっていることが把握できた。課題として就労期間中にいかに早く支援の手を差し伸べられるかという点が挙げられる。実際に就労支援に関わる雇用側への面接調査・質問紙調査の実施を予定していたが、対象者の選定や実施日、質問項目の選定に時間を要し、質問紙調査票の作成後のプレテストにおいても、内容の厳選等、修正を繰り返し行ったため、質問紙調査の倫理審査を受ける準備までとなった。今後は、雇用側の現状と課題の把握のための調査を実施し、次年度に続く課題に取り組む予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
前年度の当事者のインタビューの実施を2019年度も実施したこと、企業への質問紙調査を実施するための準備に時間を要したことが遅れを生じた原因にもあたる。また、研究代表者の勤務状況の問題により、研究分担者との打ち合わせや共同作業を行うこと、研究の進行と協議にも支障をきたしてしまい、さらなる遅れを生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
関東地区における認知症者サポート企業に対する調査および分析のスピードを速める工夫もしていく。若年認知症の専門家の助言を受け、若年性認知症支援コーディネーターや若年性認知症専門員への調査も現状と課題の把握につながると考え、関東地区に対象を当て、若年性認知症支援コーディネーターや若年性認知症専門員への質問紙調査を実施する。研究分担者から分析への助言や提言を迅速に得ながら考察を進めていく。 3年間において集積されたデータを統合的に評価し、若年性認知症者の就職支援の現状や課題を提言・明確化し、就労維持支援ならびに就労移行支援における若年性認知症者の就労支援の方向性を明らかにすることを目指す。
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Causes of Carryover |
感染症発生等により施設や企業にアンケートやインタビュー調査の実施に遅れが生じ、そのためのその分の調査費が発生しなかったこと、及び、そのための人件費・謝金が発生しなかったため、計上しなかった。次年度はアンケート及びインタビュー調査の実施・論文投稿などの発表を積極的に行うことから、その費用として使用していく。
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