2017 Fiscal Year Research-status Report
爪切りケアをめぐる乳幼児期と高齢期の自他関係に関する縦断・横断的研究
Project/Area Number |
17K04340
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
松本 光太郎 茨城大学, 人文社会科学部, 准教授 (60420361)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 爪切り / 乳幼児 / 母親 / 父親 / 生活行為 / 痛み / 身体 / 言語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究実施計画に沿って、乳幼児の爪切りに関する縦断的研究を開始した。具体的には4名の乳幼児の爪切りを観察する機会を得て、乳幼児の爪切りを中心にした行動や爪を切る母親とのやりとりについて、月1回のサイクルで前月からの変化について報告してもらい、その報告の詳細に関して質問し、やりとりを行った。また半年に1度ご自宅を訪問して家庭内で営まれる乳幼児の生活行為について観察を行った。 本研究を実施している意義として、爪切りという家庭内での生活行為について資料が得られていることが挙げられる。家庭という系の内部で営まれている爪切りを含めた生活行為について、系の外部にいる研究者は通常資料を得ることが出来ない。しかし、本研究の方法では、系の内部の人間である母親が爪切りを含めた生活行為を研究者に報告することで、爪切りを含めた家庭内での乳幼児の生活行為やその生活行為を営むにあたっての乳幼児の様子、母子間のやりとり、母親における爪切りの工夫や苦労について資料を得ることが出来た。さらに系の外部にいる研究者が報告された資料について質問しやりとりすることによって、系の内部の資料から系の内部と外部をつなぐ資料へと充実することが出来ている。 また、各家庭を直接訪問した際に、いずれの家庭でも、母親と並ぶキーパーソンである父親と面会出来たことは貴重であった。爪切りという一生活行為をめぐる父親の関与の仕方が、他の生活行為に比べて爪切りが異質であることを示している。 乳幼児の爪切りにまつわる縦断的研究を現在継続中である。研究計画の段階では想定していなかった乳幼児、母親、そして父親の爪切りをめぐる行為が見られることからも、爪切りをめぐる自他関係について新たな研究知見をもたらす可能性は高まっていると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた縦断的研究を滞ることなく開始して、現在まで着実に継続することが出来ている。乳幼児の爪切りにまつわる出来事を継続的に追いかけることによって、計画段階では想定していなかったほどに充実した資料を得ることが出来ている。また、「研究実績の概要」にて記したように、本研究で採用した方法が本研究課題にうまくかみ合っていることも縦断的研究で得られた資料を充実したものにしている。次年度に、資料の整理や暫定的な報告を行うための過程として、本研究は順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は本研究課題を遂行するうえで、うまく滑り出すことが出来た。次年度は縦断的研究をしっかりと継続しつつ、資料の整理や暫定的な報告(学会や研究会にて)を行うことを予定している。また、本研究のもう一つの眼目である高齢者の爪切りにまつわる縦断的研究についても準備に取り掛かっていくことを予定している。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、今年度購入予定であった調査時に使用するノートパソコンを購入していないためである。現在使用しているノートパソコンは稼働中ながらも、OSがwindow7であるため、サポート期限が2020年初頭に終了する予定で、新たなノートパソコンに移行しなければならない。次年度に新たなノートパソコンを購入して、現パソコンからの移行をサポート期限が終了する前にスムーズに行う予定である。
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