2022 Fiscal Year Annual Research Report
A longitudinal and cross-sectional study of self and others relationships in infancy and older regarding nail trim care
Project/Area Number |
17K04340
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
松本 光太郎 茨城大学, 人文社会科学部, 教授 (60420361)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 爪切り / 乳幼児 / 養育者 / 日常行為 / 生涯発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)子どもの爪切りに関する縦断調査は、調査開始当初0歳だった子どもたちが6~7歳になった現在も継続している。子どもたちが自ら自分の手足の爪切りを始めるまで調査は継続予定である。具体的な調査は昨年度まで変更なく、爪切りを担ってもらっている母親に1~2か月に一度爪切りを中心とした子どもの家庭や学校、幼稚園・子ども園・保育園での生活行為の変化を尋ねる質問を電子メールで送り、その後メールやSNS、それからビデオ会議を利用したやりとりを行っている。また、今年度も各家庭を訪問して、子どもたちの生活環境の変化を観察したり、直接話をしたり、一緒に遊んだりすることで、母親と間接的に共有していた子どもたちの生活行為の変化を確認できた。 (2)横断調査を行う予定であった高齢者の爪切りについては、市民センター(公民館)を通して在宅で生活する人たちの爪切りの観察を始めた一方で、特別養護老人ホーム等の高齢者施設については依然新型コロナウィルス感染の可能性を警戒して関係者以外は受け入れてもらうことが難しかった。来年度出版予定の著書の執筆のために高齢者施設の調査が必要であるため、引き続き爪切りの調査の依頼を続けていきたい。 (3)本研究で取り入れているインターネットをはじめとする道具を媒介した調査方法について、複数の学術学会でシンポジウムやワークショップを開催した。 (4)現在、0~1歳のあいだに見られる手の爪に関する以下2編の論文を執筆中である。①手の爪で乳児が自他の身体を傷つけることに注目して、傷つけられる身体部位が移動する過程や傷が徐々に減っていく過程を提示しながら、進化的、発達的な機序を明らかにする。②乳児の手により傷を負う養育者(主に母親)の痛みの主観的経験に注目して、乳児の爪をなぜ切るのか、どうやって切るのかを明らかにすることで生後間もない親子関係の難しさを提示する。
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Research Products
(4 results)