2019 Fiscal Year Research-status Report
若年非正規労働者のキャリア発達とメンタルヘルスに関する総合的研究
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17K04448
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
種市 康太郎 桜美林大学, リベラルアーツ学群, 教授 (40339635)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 非正規雇用 / ストレスマネジメント / スマートフォン / 無作為割り付け / キャリア / セルフケア |
Outline of Annual Research Achievements |
第3年目においては、以下の研究についてアジア健康心理学会にて発表を行った。そして、次の研究に関する文献収集を行い、最終年度の研究の準備をした。研究発表は、Effects of the Stress Coping Programs on Smartphones for Specified Workers Dispatching Undertakingsというタイトルで行った。 本研究では、スマートフォンで受講することができるe-learningプログラムを開発し、ストレスマネジメントとキャリア意識の向上を目指し、派遣労働者に実施した場合の教育効果を測定することを目的とした。 2018年8月~2018年10月に調査を実施した。対象者は介護派遣事業を行う派遣会社A社に所属する若年(18~34歳)の特定派遣労働者、53名であった。 対象者53名に対し、研修プログラムを作成し、(1)認知再構成法群、(2)ジョブクラフティング群、(3)統制群に割り付けて、各群に介入を行った。 その結果、「ストレス反応」は研修の有無と研修時期との交互作用が認められた。各群における研修時期の単純主効果の検定では、統制群では介入後は介入前より有意にストレス反応得点が高く、認知再構成法群では介入後は介入前より有意にストレス反応得点が低いことが明らかとなった。ただし、フォローアップ時点では、これらの群間の差は有意ではなく、統制群と介入群との「ストレス反応」得点に有意な違いはみられなかった。フォローアップ時の有意差が認められなかったことから、介入の効果は一時的なものであったと言え、効果の持続について、さらに検討が必要であると言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度、2年目までに若年非正規雇用者のストレス、離職意向について調査を行い、要因分析を行った。2年目、3年目において、若年非正規雇用者を対象とする介入研究を行い、それを研究発表した。 したがって、当初の研究計画通りにおおむね順調に行えていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度、2年目までに行った研究成果を論文として発表すること、また、若年非正規雇用労働者と比較して、より状況が深刻と考えられる中高年の非正規雇用労働者に関する調査を追加して、最終年度における研究成果としたい。
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