2019 Fiscal Year Annual Research Report
Rumination-focused Cognitive-Behavioral Therapy for Depression: investigation of residual symptoms of depression and examining its effectiveness
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17K04452
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中川 敦夫 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (30338149)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 認知行動療法 / 反芻焦点化認知行動療法 / うつ病 / 機能分析 / 反芻 |
Outline of Annual Research Achievements |
うつ病に対する反芻焦点化認知行動療法(rumination-focused CBT: RFCBT)を、わが国の臨床現場にて実践することを目的に、RFCBTのパイロットケース(5例)の実践とRFCBT治療者ハンドブックをもとにRFCBTのオープンラベル前後比較研究を行った。前後比較研究では評価完了した1例(30代女性)において、毎週1回60分のセッションが計18回行われた。アウトカム評価では、うつ病重症度のHAMD得点は、介入前20点から介入後4点と寛解に至り、治療アドヒアランスは良好で、高い治療満足度を得た。プロセス評価では、社会的場面からの認知的回避ならびに回避行動が改善した。セッション序盤では習慣としての反芻に関する心理教育ならびに反芻体験のセルフモニタリングを行い、中盤では、反芻がどのような先行刺激によって生じ、その結果としてどのような状態になっているのか、そして患者の反芻にはどのような機能があるのかについて機能分析を行い、代替行動/思考の実施を促進した。代替思考への方略としてCompassionのイメージ訓練を導入した際、日本語での分かりやすい説明がないことから困難が生じ、この点についてRFCBT治療者ハンドブックがブラッシュアップされた。こうした実践上の課題解決には、開発者のWatkins教授への留学経験のある梅垣佑介博士によりWEB形式で実施されたスーパービジョン(SV)を通して問題点の整理、方向性の確認が有用であった。スーパービジョン(SV)は録音データと別途作成した逐語録、セッションを振り返る橋渡しシートをもとに実施され、さらにこのSVに加えて梅垣博士はWatkins教授からメタSVを受ける屋根瓦指導体制下でRFCBTが進められた。
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Research Products
(21 results)