2018 Fiscal Year Research-status Report
援助要請の質に注目した適応的な援助要請のあり方の検討
Project/Area Number |
17K04467
|
Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
永井 智 立正大学, 心理学部, 准教授 (20513170)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 援助要請スタイル / 自律性 / 親和動機 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、援助要請をスタイルの視点から検討し、適切な援助要請を促進するための支援方法を検討することであった。 従来の援助要請を扱った研究では、援助要請の量のみに注目することが多く、援助要請が多い方が望ましいという前提があった。しかしながら近年では、援助要請は必ずしも多ければよい訳ではない可能性が指摘されている。具体的には、援助要請の量ではなく援助要請の質に注目した検討の必要性が指摘されている。当該領域ではこれまで、「援助要請スタイル」という視点が提案され、信頼性・妥当性を有する尺度が報告されているが、しかしながら、援助要請の質に注目し、そのメカニズムや成果、介入方法に焦点を当てた研究はほとんど存在しない。 そこで本研究課題では、援助要請スタイルが適応に与える影響を明らかにしたうえで、どのような要因が援助要請スタイルに影響するのか、また援助要請スタイルが適応に影響するメカニズムはどのようなものかなどを検討し、そうした知見を踏まえて適切な援助要請を促進する支援方法を開発することを目的とした。 本年度の目的は、援助要請スタイルの各特長を明らかにすることで合った。大学生を対象に質問紙調査を実施し、援助要請スタイル、悩みの体験、親和動機、自律性について尋ねた。分析の結果、各援助要請スタイルのうち、「自立型」が最もバランスの取れたスタイルであること、「過剰型」は良好な関係性や、一定の成長志向を有しつつも、対人関係や悩みとの向き合い方に不安を有しており、それらが適切な問題解決を妨げる可能性が示された。最後に回避型は悩みにうまく向き合うことが出来ず、適切な対処ができないため、結果的に回避という行動がとられており、何らかの支援が必要な群である可能性が示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、各援助要請スタイルの特徴を詳細に検討し、スタイル間の差異を明らかにすることが出来ている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今の所研究実施に当たっての障害は存在しないため、当初の計画通り研究を遂行していく。
|