2021 Fiscal Year Research-status Report
中間管理職の「ケア力」向上によるメンタルヘルス不調防止プログラムの開発
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17K04477
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
小川 邦治 西南学院大学, 人間科学部, 准教授 (80537598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田原 直美 西南学院大学, 人間科学部, 准教授 (10708879)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 健康開発 / 職場のメンタルヘルス / 中間管理職の役割 / 中間管理職の「ケア力」 / 心理的安心性 / 関係葛藤 / 課題葛藤 / チームワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度に引き続き,2021年度も新型コロナ感染症対応のため研究は大幅に遅れた。 中間管理職を対象とした面接調査は2021年度も中止せざるを得なくなった。一方で上司と部下の関係だけでなくチームワークそのもののあり方について多様な働き方を考慮した上での検討が必要と考え,2016年に収集したデータをもとに職務チームのパフォーマンスとメンタルヘルスの両立に果たすワークエンゲイジメントと心理的安全性の役割について検証した。その結果,心理的安全感の醸成が優れたチームワークの発揮だけでなくチームのストレスマネジメントのあり方としても有効であることが示唆され,結果を紀要論文として報告した(田原・小川, 2022)。このことより,「中間管理職のケア力」を構成する要素として職場における心理的安全性をいかに醸成できるかという点が重要であること,「中間間管理職のケア力」を高めることはストレスマネジメント力を高めるだけでなく職務パフォーマンスを高める可能性があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
前年度に引き続き新型コロナ感染症により対面での面接調査はすべて中止となった。併せて本務の作業量(遠隔授業対応など)が増加し,新たな調査を計画して本研究課題を十分に進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究において,上司のケア力を高めることがチームのストレスマネジメント力を高めるだけでなく職務パフォーマンス向上に役立つ可能性が示唆された。今後はストレス・マネジメントと職務パフォーマンス向上の両立を目指すために,より広義のチーム・ストレス・マネジメントという考え方を採用し,その中での中間管理職の役割を検討したいと考えている。具体的には,「中間管理職のケア力」を構成する要因をさらに掘り下げて個人レベルで検討するために,中間管理職を対象とした面接調査を実施する。さらには組織レベルでのチーム・ストレス・マネジメントを検討するための調査を計画したいと考えている。
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Causes of Carryover |
コロナ禍において計画していた調査(面接・調査票)ができなかったために研究費が未使用のままとなった。次年度は,コロナ感染症の状況をみながら実施できなかった調査を行いたいと考えている。まず面接調査については現地訪問にかかる交通費のほか,録音データの逐語記録化のための費用を予定している。調査票による調査についてはWEB調査も含めて今後必要経費を算出する。
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Research Products
(1 results)