2022 Fiscal Year Annual Research Report
Historical and Philosophical Study on the Pedagogical and Anthropological Significance on Showing Examples and Analogical Thinking
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17K04546
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡部 美香 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (80294776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 文生 同志社大学, グローバル地域文化学部, 教授 (50437175)
下司 裕子 (北詰裕子) 青山学院大学, 教育人間科学部, 准教授 (30580336)
室井 麗子 岩手大学, 教育学部, 准教授 (40552857)
白銀 夏樹 関西学院大学, 教職教育研究センター, 教授 (00335712)
杉田 浩崇 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (10633935)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | レトリック / スタイル(文体) / 物語論 / アナロジー / 教育学のことば / パトス論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近代教育学が追求してきた実証科学的に説明可能な(すなわち、evidence-based な)知に回収されないような知、具体的には例やアナロジーで物語るしかないような知が、人間の生成・変容や教育といかなる連関にあるのかを、思想史的な手法を用いて解明することにある。コロナ禍のために研究の進展が遅れたが、最終年度の2022年度には成果発表の機会として次の2つのシンポジウムを開催した。一つは、「教育学の〈ことば〉シンポジウムⅠ レトリックとアナロジーの教育学的意味について」、もう一つは、「教育学の〈ことば〉シンポジウムⅡ 臨床的な学術研究とは」である。前者では、1980 年代から2000 年代にかけて 興隆した皇紀夫氏の臨床教育学(物語論)や鈴木晶子氏らの教育詩学と今日の教育(哲)学におけるレトリック・アナロジー論との対話を試みた。西村拓生氏、森祐亮氏、安喰勇平氏を登壇者に迎え、科研メンバーが司会・コメンテーターを務め、教育やそれに伴う諸概念(子ども、大人、教師、学校、そして人間など)について論じる際に、事例やアナロジーはいかなる意味をもち、いかなる作用を及ぼすと考えられてきたのかを振り返りつつ、教育(学)を思考するスタイル、語るスタイル(文体・語り様)の課題と可能性について議論した。後者では、大塚類氏、奥井遼氏、異分野(文化人類学)から白川千尋氏を登壇者に迎えて、可視化することが できないものごとや一義的に明示することができないものごとが充溢している人間の生の現実を、教育哲学のみならず、他の学問分野がいかに描き出し 、論じようとしてきたのか/しているのか、を学際的に議論した。これらの成果を受け、2023年度から、大阪大学・東京大学・同志社大学を中心とする臨床教育学研究会、大阪大学・同志社大学を中心とするパトス論研究会を立ち上げることになった。
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Research Products
(8 results)