2017 Fiscal Year Research-status Report
「学び続ける教職志望学生」をどのように育成するか:AL型教員養成プログラムの開発
Project/Area Number |
17K04557
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
米沢 崇 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (20569222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮木 秀雄 山口大学, 教育学部, 講師 (30710785)
久保 研二 島根大学, 教育学研究科, 准教授 (90594698)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 教員養成 / アクティブ・ラーニング / 教職志望学生 / 学び続ける力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、能動的・主体的に「学び続ける教職志望学生」を育てるアクティブ・ラーニング型教員養成プログラム(以下、AL型教員養成プログラム)モデルを開発することである。 平成29年度は、AL型教員養成プログラムモデルの理論的基盤を整備することを目指した。そのために、教職志望学生(大学生含む)の学習モデルや教員養成プログラム開発(授業デザイン含む)等に関する先行研究をレビューするとともに、教員養成におけるALや教職志望学生の学び続ける力(資質能力・力量、知識・技能等)について検討を行った。さらに、研究代表者がこれまでの研究で収集してきたデータを再分析し、教員養成における教職志望学生の学びのプロセスを検討した。 その結果、本研究におけるALを「教職志望学生の学びに対する姿勢」ととらえ、学び続ける力の1つとして「省察(リフレクション)」し続ける力を設定した。それらを踏まえ、講義(理論的学習)において理論を対象とした省察の機会を設け、教職志望学生のALを促し、「省察」し続ける力の育成を目指す授業プランを策定した。さらに、単一の授業プランだけでなく、それらを接続しプログラム化したAL型教員養成プログラムモデル案(実習・体験的科目との関連も含む)を提案した。この他に、策定した授業プランの効果検証を行う際に用いる評価指標及びアンケート項目、ワークシートも作成した。 なお、研究成果の一部は、日本教師教育学会において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、本研究におけるALや教職志望学生の学び続ける力の定義について整理できた。さらに、教職志望学生のALを促し、「省察」し続ける力の育成を目指す授業プラン及び、それらを接続しプログラム化したAL型教員養成プログラムモデル案を提案できた。 以上のことから、「学び続ける教職志望学生」を育てるAL型教員養成プログラムのモデル開発という、本研究の目的の達成に向けて「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、これまでの成果を踏まえ、研究計画を着実に進めていく。具体的には、教員養成におけるALのあり方や教職志望学生の学びのプロセスを明らかにするための調査研究を実施する。また、研究代表者または研究分担者が担当する授業において、教職志望学生のALを促し、「省察」し続ける力の育成を目指す授業プランを試行する。さらに、評価指標及びアンケート項目、ワークシート等を用いて授業プランの効果検証を行う予定である。 これらの研究成果を学会発表や学術論文等を通じて広く社会に発信していく。
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Causes of Carryover |
平成29年度においては、教員養成分野(一部、高等教育分野含む)を中心にALを志向した授業やそれらで構成された教員養成プログラムの国外実地調査及び国内実地調査が計画的に実施できなかった。 そこで、次年度使用額については、国外実地調査や国内実地調査、学会参加による情報収集など旅費に執行する予定である。この他に、効果検証のために予算を執行する予定である。
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