2021 Fiscal Year Annual Research Report
The study on the continuity and the discontinuity of Buddhist education between the prewar and the postwar Japan: Toward the publicness of the religious education
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17K04587
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
川村 覚昭 佛教大学, 公私立大学の部局等, 非常勤講師 (90113050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹田 博通 東北大学, 教育学研究科, 名誉教授 (80154011)
小池 孝範 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (80550889)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 真宗 / 臨済宗 / 曹洞宗 / 仏教教育の戦前と戦後 / 宗教教育 / 公共性 / 功罪 / ハワイ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、研究の最終年度になることから『研究成果報告書』の公刊に向けて研究と原稿作成に努力した。 本研究の目的は、教育基本法の改正によって宗教的教養教育の可能性が出てきたため、「日本仏教教育の戦前と戦後の連続性と非連続性」を教育学的に検討することで近代日本における仏教の教育と教化の功罪を明らかにし、公教育における宗教教育の公共性を追求することである。この目的を実現するためには対面による綿密な研究討議が本来必要であるが、コロナ禍であるため、今年度もオンライン形式での研究会となった。しかし、そうした状況の中で、10回の研究会を行い、最終報告書である『研究成果報告書』(総頁数292)を令和4年3月に公刊した。内容は以下の通りである。 笹田は、臨済宗の教育と教化について日本と海外(朝鮮・満州・台湾・北米)の状況を分析し、公教育における宗教教育の可能性を闡明するさいの地盤の獲得を目指した。具体的には、明治期、大正期~昭和前期、昭和後期、平成以降の四期に亙る臨済宗の教育と教化の特質を教育学的に考察し、宗教教育の公共性を展望した。 小池は、曹洞宗の教育と教化について日本と大正期までのハワイの状況を分析し、仏教教育の公共性に向けた展望を試みた。具体的には、明治期、大正期~昭和前期、戦中期、戦後期の四期に分けて、教義論争と高等教育機関を中心とした曹洞宗の教化論と教育論を闡明し、仏教教育の公共的課題について論究した。 川村は、真宗の教育と教化について日本とハワイの状況を分析し、真宗の果たした教育と教化の功罪から、真宗の仏教教育が公教育における宗教教育に転化できる公共性を考察した。具体的には、明治期、明治期~大正期、大正期~昭和前期、昭和後期、平成期~令和期の五期に分けて、真宗教義の解釈と民衆に対する教育と教化が時代状況の中でどのように推移したかを抉出し、公教育における宗教教育の基盤を論究した。
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