2022 Fiscal Year Annual Research Report
Research on Art Education Axis of Growth and Learning to Continue non-cognitive ability ; ECEC, elementary and Hunior High School Education Connection of Materials and Tools
Project/Area Number |
17K04625
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
丁子 かおる 和歌山大学, 教育学部, 准教授 (80369694)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 保幼小接続 / 非認知的能力 / 造形 / 図工 / 乳幼児 / 美術教育 / 幼児教育 / 連続性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、就学前教育で育成される継続して取り組む力や、挑戦しようとする意欲など非認知的能力の育ちを、題材造形教育の視点から明確化し連続させることを目指した。2019年度は、小学校の図画工作科における造形遊びで育つ力について教師は想像し創造し、協力し試行錯誤するなどの力が育つと考えていることを西川史織との調査の中で明らかにした(和歌山大学紀要に掲載)。次に、乳・幼児の造形活動場面における非認知的能力の育ちについて、267件の保育案を分析し、非認知的能力の育みに該当する行為を抽出してグラフ化し、年齢と能力ごとの推移を視覚化した。非認知的能力については、パーソナリティ特性の主観的な指標であるビッグ・ファイブ尺度の5分類と下位項目で分類した。その結果、全体としては開放性が6割と多いものの、その他の項目も1割前後でそれぞれ確認できた。情緒的安定は一定確認され、年齢が上がるにつれて想像性や創造性に関わる開放性が増加していた。協調性は2歳からみられ、年長児になるほど協調性と協同性が増加した。また、遊び別では、小学校の造形遊びにつながる素材遊びや構成遊びでは力はバランスよく、特に好奇心や繰り返しの粘り強さの項目が高かった。後者の構成遊びでは想像し、創造する項目が素材遊びよりも倍多く、5歳児で多い共同でつくる遊びでは、想像し、創造する項目が構成遊びよりも1.7~8倍多かったが、粘り強さ、社交性、協調性は構成遊びの方がより多かった。つまり、乳幼児期前半には素材遊びなどで好奇心や興味を多く培い、幼児期後半にかけて素材・構成遊びを行いつつも、協働性や想像し、創造する目的のある活動を増加させることで、学校教育に連続させる必要性を明らかにした。2021年5月の日本保育学会でポスター発表、2021年度の和歌山大学教育学部紀要にて論文公表、2022年度の美術科教育学会で口頭発表で成果公表をしている。
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Research Products
(4 results)