2020 Fiscal Year Annual Research Report
Theoretical and empirical research in the relationship between education and welfare
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17K04653
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Research Institution | Shitennoji University |
Principal Investigator |
浅田 昇平 四天王寺大学, 教育学部, 准教授 (60555697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平尾 良治 大谷大学, 社会学部, 教授 (70269801)
竹澤 賢樹 金沢学院大学, 文学部, 助教 (90738741)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 教育福祉 / 教育権 / 生活・生存権 / 訪問教師 / 障害児・者福祉 / 重症心身障がい児施設 / 地域福祉 / ソーシャルワーカー、スクールソーシャルワーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は最終年度として交付申請書で記載したように、これまでの3年間にわたるメンバー4名それぞれの【原理に関する分析】、【実態に関する分析】を踏まえて、そこで得られた研究知見の統合を試みることを通じて教育と福祉の「関係性」を検討した。そして、これにより得られた成果を「教育と福祉の『関係性』に関する原理的・実証的研究」(2021年3月、全106ページ)というタイトルで研究報告書(冊子体)として発行した。
本研究の目的である「子どもの生活・生存保障」という観点からの教育と福祉の「関係性」の究明については、メンバー4名がそれぞれのフィールドにおけるその「実態」から「原理(性)」を検証したことにより、当初計画していたようにそれらを「統合」する形で本研究全体としての教育と福祉の「関係性」を導き出すことは容易にはいかなかった。言い換えれば、メンバー間での「共有化」以上にメンバー相互の多様性は明らかであった。このことは、教育学研究者、福祉学研究者の間の多様性であることに加えて、福祉学研究者であっても障がい児・者福祉、地域福祉、ソーシャルワーカーという異なる専門性を持つ者相互の分析視覚からする多様性であったと捉えられる。上記の報告書は、結果として、こうしたメンバー相互の多様性が色濃く反映されたものとなった。
ただし、本研究での手続き作業としての各自の研究フィールドでの実態及び原理を検証する共同作業の中で、教育と福祉の各々のあり方を相互に問いあうという営みを私たちは繰り返し行うこととなった。教育から福祉のあり方を問い、福祉から教育のあり方を問う中で、教育と福祉とは相互にそれぞれのあり方を問う関係性にある。つまり、福祉から教育に問題提起をしてその変革を迫り、逆に教育(学校教育)から疎外された子どもを福祉はどう包摂するのかを検証するための方法論としての両者の関係性が、本研究で捉えられたのである。
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Remarks |
本科研の研究報告書として、浅田昇平・遠藤六朗・平尾良治・竹澤賢樹「教育と福祉の『関係性』に関する原理的・実証的研究」(2021年3月発行、全106ページ)
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