2017 Fiscal Year Research-status Report
乳幼児・児童期における芸術表現活動の構築‐「美的経験」に着目した芸術実践と応用‐
Project/Area Number |
17K04659
|
Research Institution | Hiroshima Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
小笠原 文 広島文化学園大学, 学芸学部, 准教授 (10585269)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | フランスの芸術教育 / 美的経験 / 乳幼児教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,フランスの芸術教育思想と実践を基軸としながら,イタリアおよび日本における乳幼児・児童の表現活動,特に子どもの「美的感性」や「美的経験」を比較考察し,その実践活動を事例に,芸術と乳幼児・児童との出会いと交わりについての研究調査をおこない,その全体像を検証し,評価することにある。 平成29年度は研究計画調書の記載に基づき、以下の項目を実施した。 1)イタリア・ピストイア市の幼児教育についての政策に関する文献「ピストイア役務憲章」を翻訳し、ピストイア市の幼児学校,保育園,児童館(教育文化局,教育コーディネーターDonatella Giovannini氏へのインタヴューを行った。(メールによる聞き取り調査) 2)子どもの「美的感性」や「美的経験」を比較考察するための基盤となるシラー(J.Ch.F. von Schiller,1759-1805の思想について,その著作『Uber die asthetische Erziehung des Menschen.In einer Reihe von Briefen』(1793-1795)の小栗孝則訳『人間の美的教育について』と清水 清訳『シラー 美的教養論』の両方を参照しながらまとめる作業を行った。 3)フランスの教育機関において,近年重要な役割を担う「学校参与アーティスト」について大学美術教育学会(2017年9月広島大学)にて口頭発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)フランスの幼児教育について,その制度的変遷を政令や法令などの資料を手がかりとしてまとめることができた。この変遷の詳細を追うことで,現在の子どもの美的経験を重視する芸術教育の思想的基盤を理解することができた。 2)平成30年度のフランスにおける調査(幼稚園)の日程がほぼ決定した。
|
Strategy for Future Research Activity |
1)学会での発表(2018年9月 大学美術教育学会 奈良大学,2018年12月 乳幼児教育学会 岡山コンベンションセンター) 2)フランスにおける調査(2018年11月)
|
Causes of Carryover |
平成29年度は調査機関との日程調整の関係で、フランスにおける調査研究を実施しなかった。そのため、旅費(海外渡航費)の使用はなかった。
|