2019 Fiscal Year Research-status Report
乳幼児・児童期における芸術表現活動の構築‐「美的経験」に着目した芸術実践と応用‐
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17K04659
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Research Institution | Hiroshima Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
小笠原 文 広島文化学園大学, 学芸学部, 准教授 (10585269)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 子どもの美的経験 / 芸術教育 / 表現活動 / 乳幼児の芸術活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、フランスの芸術教育思想と実践を基軸としながら、イタリアおよび日本における乳幼児・児童の表現活動の中で、子どもの「美的感性」や「美的経験」がどのように捉えられ評価されているかについて比較考察をしていくものである。それぞれの国で行われる実践活動を事例に、乳幼児・児童が「芸術」とどのように出会い、関わりを深めていくかについて研究調査を行い、その全体像を検証し、評価するものである。令和元年度(平成31年度)は研究計画の記載に基づき、以下の項目を実施した。 1)フランスにおける就学前教育と学校教育の接続に関する調査報告「『保育学校の第一の使命は教育である』保育学校の小学校化問題と幼少接続」を第72回 日本保育学会( 2019年 5月 於:大妻女子大学自主シンポジウム)にて発表し、研究者と意見交換会を行った。2)フランスの芸術教育実践とその理論的基盤について主に文献や政府資料をもとに調査し、58回 大学美術教育学会 (2019年9月 於:岐阜大学)にて発表した。3)フランスの芸術教育芸術文化教育パルクール(PEAC)の成立過程について、日仏教育学会 (2019年度研究大会 於:立命館大学)で発表を行った。4)イタリア・ピストイア市の幼児教育について、インタヴューをもとに報告をまとめ広島文化学園子ども子育て支援研究センター年報(2019年12月)に投稿し、発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では2020年2月下旬から3月初旬にフランスとイタリアに渡航し、最終的な調査および研究者との意見交換会を行う予定であった。しかし、新型コロナ感染症の世界的な拡大を受け、その行程全てをキャンセルすることになった。そのため、本来の交付期間(平成29年度~平成31年度)を1年間延長することとし、視察の予定を組み直している。しかし現在の時点では、渡航および調査が可能になる時期については不透明な状況である。 一方で、2019年3月にはリヨン市およびパリ市における保育学校の視察調査を行うことができ、その成果を発表するなど、研究全体を俯瞰した時に際立った遅れはないとみなすことができる。
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Strategy for Future Research Activity |
1)フランスにおける調査の予定の組み直し。渡航が不可能な場合の代替案(オンラインによる調査)などの可能性も探っていく必要がある。 2)研究報告書の執筆・発表。研究成果をまとめる。
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Causes of Carryover |
国際的な感染症拡大を受け、フランスにおける調査予定が延期になったため。
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