2017 Fiscal Year Research-status Report
子ども・子育て新制度施行後のベビーホテルにおける保育内容と利用者についての研究
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17K04662
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Research Institution | Gifu Shotoku Gakuen Junior College |
Principal Investigator |
大西 薫 岐阜聖徳学園大学短期大学部, その他部局等, 講師 (80616532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 将史 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成・院), 准教授 (20568498)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ベビーホテル / 認可外保育施設 / 保育のニーズ / 利用者調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、ベビーホテル利用者のアンケート調査の実施に向け、ベビーホテル利用者への予備調査および許可を得られた利用者へのインタビューを行った。 予備調査に協力してくださったベビーホテルは、通常保育のみならず、乳児保育、一時保育、早朝延長保育、休日保育、病児保育、夜間保育にも対応しており、そこの利用者は、認可保育施設(保育園・幼稚園)を利用しながら、補完的にベビーホテルを利用していることが目立った。特に、調査協力園であるベビーホテルは、認可保育施設では対応の難しい病児保育や休日保育、18時~20時までの延長保育を行っている点で利用者からの満足度は高かった。保護者の職業形態は、土日祝日勤務者や、勤務時間が流動的な自営業、フリーランスの仕事など勤務時間が定まっていないための利用などが挙げられた。 インタビュー協力者を分類すると、①有職者で職場にも保育施設がある母親、②就労証明を提出できない仕事を持つ母親、③専業主婦、であった。①の有職者の場合、職場にも保育施設があるにも関わらず、ベビーホテルを利用する理由として、職場の保育の時間が限られていること(定時に仕事が終わらない、会議時は保育をしてもらえない等)が挙げられ、いつでも預かってもらえる安心感があるという。②の就労証明が提出できない仕事を持つ母親は、週末に行われる地域イベントで仕事を行うことが中心であり、幼稚園の休みである土日にベビーホテルを利用している。また、このようなケースでは収入よりも保育料が上回ることもありことが悩みとして挙げられている。③の専業主婦の母親は、来年から幼稚園に通う子どもと、生まれたばかりの赤ちゃんの育児に困難さを抱え、週に2~3回利用しながら、保育者に子育ての相談に乗ってもらったという。 今後も継続して利用者インタビューを行いながら、本調査に向け質問項目を選定していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、計画していた研究2の新制度が認可外保育施設に与えた影響について、小規模保育施設へ移行した施設、新制度後も同じ保育施設に関して、施設長および保育職員へのインタビュー、保育場面の観察を行った。しかし、新制度が与えた影響を示す十分なデータを得たとは言えず、今後も施設長との関係を維持しながら、保育現場への訪問を進めていく必要があるため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、研究計画に基づき利用者質問紙調査を実施をするとともに、利用者へのインタビュー調査を継続して行う。また、新制度が認可外保育施設に与えた影響について、その影響を示す十分な資料収集を行い、得られた結果を学会で発表しながら、論文執筆に向けた準備をしていく。
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Causes of Carryover |
平成29年度に購入予定であったパソコンは、ベビーホテル利用者の実態調査を本格的に行う平成30年度に使用することになった。それに合わせて、統計分析ソフトも購入する予定である。
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