2017 Fiscal Year Research-status Report
音楽的経験におけるPerformance Assessmentと学習の拡張
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17K04771
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
根津 知佳子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (40335112)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 音楽的経験 / パフォーマンス評価 / 活動理論 / 対話的シナリオ課題 / ルーブリック |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、2つの柱から成る。 ①「実践者のためのPerformance Assessmentの開発」:米国のVALUE(Valid Assessment of Learning in Undergraduate Education)を基盤として開発したPerformance Assessmentの評価項目が従前の教員養成だけではなく、保育者養成にも適用可能かどうかを検討する。 ②ユーリア・エンゲストロームの活動理論を援用し「対象者の学びの深化」をモデル化し、分析する。 ①に関しては、ルーブリック(根津、2016)の改善を図るだけではなく、教員養成の学部段階から大学院を対象とした対話的シナリオ課題の見直しを図った。特に、「なぜ、対話的シナリオが必要なのか」「どのように評価するのか」「音楽に関する対話的シナリオとはどのようなものか」について再考した。②に関しては、幼児・児童・生徒を対象としたパフォーマンス課題について「情動調律」をキーワードとしてまとめた(日本女子大学家政学部紀要)。活動理論による分析については、幼児・児童の音楽的経験(歌唱)について、楽曲『待ちぼうけ』に焦点を当てた研究を発表した(活動理論研究会)。以上の他に、幼児期の母子支援に関する10年間のデータについて再検討した(日本女子大学家政学研究科紀要)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該テーマとしては初年度であるが、「音楽的経験」「パフォーマンス評価」をキーワードとした研究全体においては、「PDCAのCに該当する年度」であった。 今年度は、これまで継続してきた研究の課題を明確にし、成果を大学紀要、大学院紀要、研究会等で報告することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
第1の柱である評価方法に関する理論研究に関しては、近年の高等教育における動向などを確認し、再度先行研究のレビューが必要である。第2の柱である活動理論による可視化に関しては、乳幼児、特別支援教育領域の事例報告を蓄積する必要がある。
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Causes of Carryover |
研究の成果の発表や学会での意見交流などを目的とした国内出張が3月に集中したことが原因である。学内稟議が2月初旬締め切りだったため、繰り越しがでてしまったが、次年度は計画的な執行を心掛けたい。
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