2018 Fiscal Year Research-status Report
音楽的経験におけるPerformance Assessmentと学習の拡張
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17K04771
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
根津 知佳子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (40335112)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | パフォーマンス評価 / 活動理論 / 教員養成型PBL / 対話的事例シナリオ / 音楽的経験 / ウィリアムズ症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の「2つの柱(以下①②)」に基づき遂行した。①教員養成型PBL教育のためのPerformance Assessmentが、保育者養成にも適用可能かどうかを検討する。②ユーリア・エンゲストロームの活動理論を援用し「対象者の学びの深化」をモデル化し、分析する ①に関しては、「教員養成型PBLの課題」「事例シナリオの評価方法」「音楽科における対話的事例シナリオ」に関する論文3件を教員養成型PBL教育研究グループで発刊した図書に掲載した(『PBL事例シナリオ教育で教師を育てる─教育的事象の深い理解をめざした対話的教育方法』)。そのうちの「Ⅴ事例シナリオ教育の評価方法」に対して、大学教育フォーラム(2019.3.22)において、複数の研究者の外部評価を受けることができた。また、「音楽実技」に関するシナリオとルーブリックを作成し、報告した(日本女子大学家政学部紀要)。 ②に関しては、幼児・児童の音楽的経験(歌唱)について報告し(活動理論研究会)、「音楽科教育における学び」「課外活動における学び」の比較を通して、「多声的な学びを支えるのは、異音的な学びである」という段階性を明らかにし、学会誌に投稿した(活動理論学会誌)。また、エンゲストロームの活動モデルを用いて、具体的に、『かえるの合唱』『ドレミの歌』『待ちぼうけ』等の教材を介した学習の拡張と深化をモデル化した。そのうち、『かえるの合唱』については、日本感性工学会感性哲学部会(2019.3.9)で発表した。 他にも、幼児のための楽器開発に関する査読論文(日本音楽心理学音楽療法研究年報)を発表した。また、①と②の複合的な実践研究として、幼年期の合奏活動、小学校中学年の鑑賞活動、およびウィリアムズ症候群のためのミュージカルに関するパフォーマンス課題とルーブリックを開発した。この3件については、次年度に論文を提出予定である
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
これまで継続してきた研究課題を再考し、成果を図書2件(査読有2件)、学会誌2件(査読有1件)、大学紀要1件、その他1件に報告することができた。また、日本女子大学にて、活動理論学会春季大会を開催し、学部内外の学術交流を推進することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
第1の柱である評価方法に関する理論研究に関しては、引き続き、近年の高等教育における動向などをふまえて、保育者養成での適用の可能性を見出すことが喫緊の課題である。第2の柱である活動理論による可視化に関しては、今年度開発した幼年期、小学校中学年、およびウィリアムズ症候群のためのパフォーマンス評価とルーブリックを研究報告としてまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
研究成果発表や学会での意見交流などを通して、調査内容を一部修正した。具体的には、予定していた調査を一部保留し、次年度実施に変更した。次年度は、最終年度であるため、さらに計画的な執行を心掛けたい。
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