2018 Fiscal Year Research-status Report
小中一貫を図った音楽デジタル教科書を活用した日本の民謡の指導法開発
Project/Area Number |
17K04785
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
鈴木 慎一朗 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (90442087)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 小学校道徳教科書 / 小中一貫のカリキュラム / 音楽デジタル教科書 / 郷土に伝わる民謡 / 《貝殻節》 / 《吉岡小唄》 / 郷土教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、小学校と中学校との一貫を図った音楽デジタル教科書を活用した日本の民謡の指導法を開発し、教員養成のプログラムとしても位置付け、普及を図ることを目的とする。 第一に、小学校道徳教科書における「我が国や郷土の文化」に関する取り扱いを整理、検討した。具体的には全8社の教科書を日本の民謡に着目して分析し、《YOSAKOI ソーラン》が掲載されていることが明らかとなった。検証結果については、『地域学論集』第15巻第2号において論文発表を行った。 第二に、小中一貫を図った音楽デジタル教科書を活用した日本の民謡のカリキュラムを構築した。教科書分析の結果に基づき、附属学校園の協力も得ながら、カリキュラムを組んだ。また、小学校の総合的な学習の時間における日本の民謡のモデル指導案を作成した。検証結果については、『地域学論集』第15巻第1号、『教育研究論集』第9号において論文発表を行った。 第三に、「郷土に伝わる民謡」を題材とした教材の開発を行った。具体的には鳥取市の浜村温泉と賀露の《貝殻節》を比較検証し、音楽的特徴と歌詞の特徴を解明し、これまでの教科書での掲載状況を明らかにした。他方、吉岡温泉の新民謡《吉岡小唄》の資料収集をし、学生参画により、音源が収録されたスライド教材を開発した。検証結果については、日本音楽表現学会第16回大会において口頭発表、『教育実践学研究』第20巻第2号において論文発表を行った。また、鳥取大学サイエンス・アカデミーにおいても発表した。 第四に、教員養成のプログラムとして位置付けるために、師範学校の郷土教育における日本の民謡の実践について解明した。具体的には鳥取県師範学校を事例とし、一次資料に基づき、生徒や教員の意識にも着目しながら、実態を明らかにした。検証結果については、教育史学会第62回大会において口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学生ならびに附属学校園の教諭の協力を得ながら、研究計画に沿って実施することができた。その成果については、口頭発表2件、論文発表4件あり、社会・国民に発信した。また、教員免許状更新講習においても音楽デジタル教科書を取り上げた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、音楽デジタル教科書を活用した日本の民謡の指導法を開発し、教員養成のプログラムとしても位置付け、指導法の波及を図る。 また、鳥取県における野口雨情が作詞した新民謡についても解明し、「郷土に伝わる民謡」を題材とした、視聴覚教材を開発する。
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Causes of Carryover |
成果発表として計画していた国際学会への参加を見合わせたため。 新民謡の研究の際、必要となる野口雨情関連図書の購入を計画している。
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[Book] 初等音楽科教育2018
Author(s)
吉田武男、笹野恵理子,鈴木慎一朗
Total Pages
248
Publisher
ミネルヴァ書房
ISBN
978-4-623-08160-8