2021 Fiscal Year Research-status Report
戦前期中等学校国語科教科書における古典教材の採録状況に関する研究
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17K04786
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
小笠原 拓 鳥取大学, 地域学部, 教授 (20372675)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 戦前期中等教育 / 国語教科書 / 目次データベース / 古典教材 / 教科書検定制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、戦前期の中等学校国語科教科書における古典教材の採録状況の調査を目的としたものであったが、調査を進めるにつれ、採録状況を明らかにするために必要なデータベースの整備が極めて不十分であることが明らかとなり、研究2年目半ばで、まずはその整備を進め、その結果として当初の目的の達成を目指すという形で研究期間も3年間から4年間へと変更を行った。しかし、3年目の終わりに新型コロナウイルスの感染拡大が起こったこともあり、当初の計画通り研究を進めることが著しく困難となり、今年度も計画の延長を余儀なくされてしまった。前半の2年間で、学会や研究会での研究発表と学会での共同研究ラウンドテーブルの開催、さらには紀要論文の発表と順調に成果発表をおこなってきたが、この2年間は、計画を延長したにも関わらず、十分な成果をあげることができず、現在に至っている。新型コロナウイルスによる研究の制限、及び後に述べるような自身の体調不良などもあり、研究を計画通りに進めるには、極めて困難な状況にある。しかし一方で、本研究に関連して、国立教育政策研究の教科書データベースが整理されるなど、有利な研究状況の変化の兆しも見えてきている。また残念ながら現時点では採用されてはいないものの、他の複数の研究者との共同研究による科研申請の準備も進んでおり、本研究を端緒とした研究は広がりを見せつつある。来年度は、上記のような状況を踏まえ、具体的な成果の発表を目指したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
残念ながら、昨年度は新型コロナウイルスの感染拡大によって、東京を中心とした研究機関での資料収集活動が著しく制限され、予定の研究活動をほとんど行うことができなかった。個人的にも原因不明の体調不良に見舞われ、医療機関への継続的な通院が必要となり、様々な研究活動にも制限が加えられることになった。体調不良の悪化によって、必要な資料収集活動だけでなく、それらを整理・分析する活動にも大きく支障をきたしたため、計画していた予定通り作業を進めることが極めて困難な状況に陥ってしまった。現在も体調不良は続いており、通院のため(コロナ対策により県外での滞在が制限されているため)資料収集のための移動は難しい状態となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは体調を改善し、もしくは制限された状況でも可能な作業に注力することによって、できるだけ当初の目的に沿った形での成果を上げることができるように努力を続けたい。とはいえ、新型コロナウイルスの感染拡大による影響は現在も続いており、戦前期の国語教科書を数多く所蔵している各研究機関の利用についても、依然制限された状況にある。したがって、戦前期中等学校国語科における古典教材の収録状況の検討という研究の目的を維持しつつ、現段階における研究状況で可能となるよう作業計画を変更し、できる限り成果を上げることを目指したい。具体的には、現在まで収集した特定の教科書の目次を利用した、収録状況の変化や他の教科書との比較分析や既にデータベース化が進んだ国立教育政策研究所の検索システムを利用した調査、さらには、鳥取県内にある戦前期中等学校国語教科書の調査などに力を入れていきたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大により、様々な研究機関での調査活動が制限され、出張を行うことができなかった。また申請者自身の健康不良により、通院のため県外での研究活動を制限せざるを得なくなった。健康が回復し、コロナウイルスの影響による研究機関の利用制限が緩和されてから研究活動を進めた方が、より効果的に成果をあげることができると考え、今年度の予算使用を控え、次年度の使用額が生じることとなった。
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