2018 Fiscal Year Research-status Report
インターンシップにおける教育的効果の促進・阻害要因に関する実証的研究
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17K04846
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
西條 秀俊 新潟大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (40401773)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | インターンシップ / キャリア教育 / 教育的効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、インターンシップ(以下、「IS」という)における教育的効果の促進・阻害要因を明らかにすることである。そのために、低学年次(1・2年生)学生対象のISに限定し、具体的な促進・阻害要因を質問紙等による定量調査とインタビュー等の定性調査を行い、教育的効果の高いISのあり方を検討、考察する。平成30年度(2018年度)に実施した研究実績の概要は次のとおりである。 1.低学年次(1・2年生)学生対象ISに関する、アンケート調査を学生268人に対して実施した調査結果を整理、入力し、集計、分析を行った。平成29年度には大学11校、受入企業48社に実施した質問紙調査の集計および分析を先行して行ったが、平成30年度は、学生268人に実施した質問紙調査の集計および分析を行った。 2.低学年次(1・2年生)学生対象ISに限定し、その具体的な教育的効果や要因として、学生のISでの成果である達成度について考察を行った結果、達成度の項目ごとに達成度合いがかなり異なること、また、学生自身の達成度については4つのカテゴリーに分かれること、学部専門知識、社会人基礎力との関係性があることが明らかにした。また、その達成度はIS実習内容と大きく関連性があり、ISの教育的効果を高めるためには、大学は実習内容を実習先である企業と十分に協議をし、各々の実施目的を明らかにした上で効果的なアプローチをする必要があることを明らかにした。 3.さらに調査結果を深く考察するために、大学担当者10名へのヒアリング調査によるフォローアップ調査を10・11月実施し、定量調査では見えてこなかった要因の考察を行った。 4.その研究成果として、その結果を2つの学会等(日本キャリア教育学会、大学教育研究フォーラム)にて発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画どおり、ヒアリングおよびアンケート調査を実施し、集計分析を行った。また、前年度予定していた大学担当者へのヒアリング調査によるフォローアップ調査を実施し、インターンシップにおける教育的効果の促進・阻害要因に関する質的データを収集することができた。学生向けのアンケートを分析し、考察した結果、その達成度はIS実習内容と大きく関連性があり、ISの教育的効果を高めるためには、大学は実習内容を実習先である企業と十分に協議をし、各々の実施目的を明らかにした上で有効なアプローチをとる必要があることを明らかにした。その結果の中間報告として、平成30年12月開催の日本キャリア教育学会第40回研究大会(早稲田大学)において、口頭発表「教育的効果の高いインターンシップの要因分析」、平成31年3月開催の第25回大学教育研究フォーラム(京都大学)において、口頭発表「インターンシップの実習内容と達成度との関連性」を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度(2019年度)は最終年度となるため、調査・分析結果をもとに、学生、大学(組織、担当者)、受入企業(組織、担当者)の3つの側面からインターンシップにおける教育的効果の促進・阻害要因を明らかにし、学校教育(高等学校および大学)の中に位置づけられた教育的効果の高いインターンシップのあり方を検討、考察し、今後の展望について報告書をまとめる。研究総括として最終報告書を作成し、所属する学会等(日本キャリア教育学会、日本キャリアデザイン学会他)において、研究結果を発表する。また、あらゆる機会を活用して、高等学校(特に普通科)および大学での生徒・学生の学修への動機づけを高めることができる教育的効果の高いインターンシップの必要性理解や意識向上のために、本研究の成果発表を行う。さらに、今後実施するインターンシップで即座に活かし、教育的効果の高いインターンシップを実践し、学生の社会への円滑な接続を図るための基礎研究として、次の研究課題に向けた準備を行う。
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Research Products
(2 results)