2019 Fiscal Year Research-status Report
キー・コンピテンシーの「相互にかかわりあう」能力を育成する道徳授業モデルの開発
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17K04885
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Research Institution | Niigata Seiryou University |
Principal Investigator |
中野 啓明 新潟青陵大学, 福祉心理学部, 教授 (40237350)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | キー・コンピテンシー / 道徳授業 / 相互にかかわりあう / ICT / タブレット端末 / 道徳科 / PISA / 交流場面 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、2018年度までの研究を基に、以下の研究を行った。 第1に、道徳授業における「話し合い活動の組織化」「意見交流の組織化」「討論・討議の組織化」という子ども相互の交流場面での交流方法とその課題を克服するためのICTの活用方法について、2018年度に中学校において行った実験授業の成果をもとに、令和元(2019)年6月30日(日)に麗澤大学で開催された日本道徳教育学会第93回大会において研究発表を行った。その際、小学校低学年からでも対応可能名方法として、クラウド上にワークシートに記入した写真をアップロードし、グループやクラスで共有する、という方法を提案した。具体的には、1)子どもがワークシートへ自分の考えを記入する、2)クラウド上のフォルダに写真をアップロードする、3)友達の写真を見て自分の考えと比較する、4)新たな自分の考えをワークシートに記入する、というステップを提案した。 第2に、こうした研究成果を基に、「二つの意見」を用いた道徳授業モデルに基づいた意見交流場面でのICTの活用方法を、研究協力者による実験授業を通じて検証した。具体的には、複数の小学校において、低・中・高学年において実験授業を行った。その結果、クラウド上にワークシートに記入した写真をアップロードし、グループやクラスで共有する、という方法は、小学校低学年においても可能な方法であることを明らかにした。 第3に、教科書教材に基づいた「二つの意見」を作成し、ICTを活用したワークショップを3月に開催するべく準備を進めた。しかし、新型コロナ・ウィルスの影響により、ワークショップは中止となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
第1に、2018(平成30)年度の研究成果を基に、道道徳授業の意見交流場面におけるICTの活用方法を日本道徳教育学会第93回大会の自由研究発表において発表するとともに、その成果に基づきながら、「二つの意見」を用いた道徳授業モデルに基づいた意見交流場面でのICTの活用方法を研究協力者による小学校での実験授業を通じて検証することができた。 具体的な検証結果としては、クラウド上にワークシートに記入した写真をアップロードし、グループやクラスで共有する、という方法は、小学校低学年においても可能な方法であることを明らかとなった。 第2に、教科書教材に基づいた「二つの意見」を作成し、ICTを活用したワークショップを3月に開催するべく準備を進めたが、新型コロナ・ウィルスの影響により、ワークショップは中止となった。 第3に、新型コロナ・ウィルスの影響もあって、研究のまとめを行うまでには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ・ウィルスの収束をまって、第1に、道徳授業の意見交流場面でのICTの活用方法について、研究協力者に協力を求め、検証のための実験授業を行う。 第2に、ワークショップを開催し、「二つの意見」の作成過程を明確化する。 第3に、2020(令和2年)版の小学校の道徳科教科書を可能な限り購入し、実験授業を通じて、教科書教材での「二つの意見」を用いた道徳授業モデルの実践可能性を検証する。 第4に、学会発表等を通じて研究成果を公表すると共に、WEB上で研究成果を発信・共有することを目指す。
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Causes of Carryover |
1年間の科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)補助事業期間延長申請を行ったため。 主として、研究のまとめとしての実験授業や研究発表のための国内旅費、新型コロナ・ウィルスの影響によって中止となっていたワークショップ開催に伴う経費にとして使用する予定である。
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