2017 Fiscal Year Research-status Report
特別支援学校スクールカウンセリングマニュアルの開発
Project/Area Number |
17K04921
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
林 安紀子 東京学芸大学, 教育実践研究支援センター, 教授 (70238096)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 特別支援教育 / スクールカウンセリング / 特別支援学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的でもある特別支援学校のスクールカウンセリングマニュアル作成のため、支援ニーズの把握やスクールカウンセラーの有無、現況の把握のために全国の高等部のある知的障害特別支援学校(714校)の養護教諭を対象に質問紙調査を郵送し、返送があった313校(回収率43.8%)の養護教諭313名を分析対象とした。相談ニーズとしては、身体疾患/精神疾患/不登校/いじめ問題/人間関係/障害理解/暴力・非行/家庭の問題/貧困などの悩みがあげられており、クライエントとしては児童生徒/保護者/教師が上がっていた。また、相談支援体制(校内体制/相談機会/対処など) についても分析・検討を行った。その結果、様々な不調を抱えた生徒が高等部に在籍していることが示唆された。心と行動の不調を抱える生徒やその保護者の相談・支援先はどちらも担任教諭が多く,生徒の相談・支援先は次いで養護教諭が多いことから、特別支援学校では生徒や保護者の心理面のサポートの多くを担任教師や養護教諭が担っていることが伺えた。不調を抱える生徒の実態や,対応に追われる教師の負担を考えると、スクールカウンセラーのような心理面をサポートする職種の導入・連携を進め,対応していく必要があると考えられた。また、スクールカウンセラーを配置している特別支援学校2校に出向き、インタビュー調査を実施し、スクールカウンセラーシステム導入の現況と課題について調査した。それに加え、現況把握・課題の整理のため、日本特殊教育学会での自主シンポジウムや、国際学会(IASSIDD 4th Asia Pacific Regional Congress)にて口頭発表を行い、様々な対象児の発達段階に応じた相談支援ニーズの把握や特別支援学校におけるスクールカウンセリングの現況について報告・検討をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、収集した調査データの整理・分析を行い、マニュアルの作成に向けて検討を行っている。計画しているスケジュールにそって研究を継続する見通しである。
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Strategy for Future Research Activity |
・【継続】実践校に出向いた訪問聴取 ・特別支援学校のスクールカウンセラーを対象とした全国調査(質問紙調査)の実施 ・研究モデル校のスクールカウンセラー派遣の実践 ・特別支援学校のスクールカウンセリングマニュアルの作成
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Causes of Carryover |
(理由)本年度中に実施予定だった実践校の訪問聴取が予定していたよりも少なくなったため、次年度使用額が生じた。 (使用計画)次年度の訪問聴取を行う際の旅費として使用する予定である。
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Research Products
(4 results)