2017 Fiscal Year Research-status Report
教育・医療・家庭の連携モデルによる「発達障害や夜尿の子どものQOL向上」の試み
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17K04950
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Research Institution | Tokyo Seitoku University |
Principal Investigator |
田村 節子 東京成徳大学, 応用心理学部, 教授(移行) (40549151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 裕一 昭和大学, 医学部, 准教授 (40327888)
石隈 利紀 東京成徳大学, 応用心理学部, 教授(移行) (50232278)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 夜尿症 / 発達障害 / 学校生活の質 / PedsQL / 自己評価と代理評価 / 夜尿症疫学調査 / 就学時健診 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は,次の①~③の研究を行った。① PedsQL調査票(子どもの健康関連QOLを測る尺度)を分析し学校生活の質の検討を行った(関東圏小学1年~6年生999名、保護者:475名昨年度調査実施済み)。児童の自己評価よりも保護者の代理評価が高く保護者が子どもの適応を過大評価し子どものSOSに気づきにくい可能性が示唆された。特に感情機能と身体機能において男子・女子児童ともに低学年が苦戦しており,親が推測した子どもの苦戦との間に認識の開きがあった。感情機能については全学年を通して子ども達の自己評価が低く保護者や学校への示唆が得られた。 ②A市教育委員会の協力を得て昨年度就学時健診票へ夜尿症について2項目追加した。312名のデータの中から夜尿に関する項目のみ分析を行った。本研究は日本で初めての夜尿症の疫学的調査であったが,海外で発表されている発症率とほぼ同等の15.1%であった。 ③就学時健診で夜尿のあった児童について新1年生の3学期時に「気になる子どものチェックリスト」(文科省作成)を教師等に依頼した。その結果、全体の22%の子どもに援助ニーズが認められた。さらに早期発見された援助ニーズが高い子ども達の困難さや対応例について子ども一人ずつのレポートを作成し各学校へ配付した。さらに発達障害傾向のスクリーニングへの活用の検討も開始した。 ④夜尿に対する対応について教師(学級担任,養護教諭等)・保護者向けの手引きを作成し次年度学校や該当児童へ配付できるように準備を行った。 ⑤夜尿症に対する教員の意識を調べるため「おねしょ/昼間のおもらし」に関するアンケートをB県、C県、D県の教員計566名に対して行いデータを分析した。夜尿症が疾患であるという認識の不足等が明らかとなった。 ⑥次年度(新2年生)の夜尿症児への追跡調査のためにA市教育委員会と打合せを行い質問紙を検討,作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成31年度に予定していた就学時健診時の夜尿症のチェック項目追記について、協力的な教育委員会の申し出があり当初より前倒しで調査が開始できたため研究が当初より進んでいる。さらに教師の夜尿症についての意識調査についても当初31年度に実施予定であったが、協力依頼に応じた県教育委員会が3県あったため前倒しで調査を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、下記①②を研究する予定である。 ①発達障害や夜尿のある子どもや保護者の心理的ストレスを明らかにするため、該当児童および保護者へのインタビュー調査を行い,学校や医療への相談の促進要因と阻害要因を検討する。 ②就学時健診時に夜尿のあった子どもの疫学的な追跡調査を行う。
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Causes of Carryover |
研究代表者はアルバイトの雇用日数確保等の関係で次年度の使用額が生じた。 研究分担者においては、研究全体の活動内容により年度で使用する金額を各自が調整したため次年度への使用額が生じた。
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