2020 Fiscal Year Annual Research Report
Research on "Improving the Quality of Life of Children with Developmental Disabilities and Nocturia" through a model of collaboration among education, medical care, and families
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17K04950
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Research Institution | Tokyo Seitoku University |
Principal Investigator |
田村 節子 東京成徳大学, 応用心理学部, 教授 (40549151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 裕一 昭和大学, 医学部, 教授 (40327888)
石隈 利紀 東京成徳大学, 応用心理学部, 教授 (50232278)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 子どもの学校生活QOLの向上 / 発達障害傾向 / 夜尿 / 連携モデル / 就学時健診 / ハイリスク児童 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,「チーム学校を基盤とした教育・医療・家庭によるネットワーク型援助チームモデル」を開発し,発達障害や夜尿の子どもの学校生活のQOL向上を目指すことにあった。以下の8つの研究(夜尿の疫学調査、定型発達児の学校QOLに関する自己評価と保護者の代理評価との比較検討、就学時健診における夜尿項目の定型発達児と夜尿症児の比較、就学時健診による「夜尿のある児童」や「夜尿と発達障害傾向のあるハイリスク児童」の早期発見・早期援助の試み、夜尿継続の追跡調査、夜尿の心理的ストレスの質的研究、夜尿症診療における心理面へのアプローチの検討」等の結果から以下のことが明らかとなった。我が国初の夜尿疫学調査から就学時健診時における夜尿率が12~15%であり海外の夜尿症率15%とほぼ一致した。さらに夜尿症児の約30%に発達障害傾向が見られた。海外では、ADHDが夜尿症児の発達障害傾向の大半を占めるという調査結果があるが、本研究結果ではLDが約50%(「聞く」・「話す」・「読む」各約20%、「書く」約15%、「計算する」約12%、「推論する」8%)であり、ADHDは約30%(混合型が約60%、次いで不注意傾向が約30%、多動衝動性傾向が約10%)、ASDは約20%(重複あり)となった(重複あり)。本研究結果によりLDの存在が明確になったことは今後の夜尿の子どもへの援助に大きな示唆を与えるものである。しかし、夜尿により子どもは勉学のモチベーションが低くなったり、不注意が出現することが本研究で示唆されたため、夜尿による二次障害で発達障害様の症状が出るのか、元々の気質から発達障害様の症状が見られるのかは、今後慎重に検討する必要がある。夜尿と発達障害傾向のあるハイリスク児童の学校生活QOL向上のためには、早期発見と早期援助が欠かせないことが示唆され、教育・家庭・医療の連携モデルの有用性が支持された。
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