2017 Fiscal Year Research-status Report
通常学級担任教師と他者との連携に関する研究:特別支援教育連携尺度の開発
Project/Area Number |
17K04956
|
Research Institution | National Institute of Special Needs Education |
Principal Investigator |
竹村 洋子 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 発達障害教育推進センター, 主任研究員 (10586415)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 通常の学級 / 特別支援教育における連携 / 尺度開発 / 学級での対応 / 校内 / 保護者 / 外部機関 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、通常学級において児童生徒一人ひとりのニーズに応じた教育的対応を担任教師が実施するための効果的な連携について指針を得ることを目的としている。初年度である平成29年度は、まずすでに着手しているインタビュー調査の途中結果と先行研究を踏まえて研究計画を立てた。そしてインタビュー調査を進めた。 インタビュー調査では、「特別支援教育における連携に関する状況調査」として小・中学校教師52名より対象者としての協力を得た。インタビュー時に、通常の学級において特別な支援の必要を感じた事例を、3年以内を目安として対象者に選択してもらった。質問項目として、教師のプロフィール、児童生徒の様子、学級での対応とその効果、校内連携、保護者との連携、外部機関との連携(各連携について、具体的な内容、効果、児童生徒とのかかわりへの影響、工夫した点、困難であった点)を事前に準備して半構造化面接を行った。面接の内容は録音し、録音データを逐語録化した。得られた事例について、逐語記録を内容毎に区切り、児童生徒の様子、学級での対応、校内連携、保護者との連携、外部機関との連携に分類して内容を検討した。事例毎にそれらの内容同士の関連についても検討を行った。成果の一部を日本特殊教育学会第55回大会にて発表した(発表題目は「通常学級における連携に関する予備的検討―小学校低学年の事例についての通常学級担任教師の語り―」)。 並行して、先行研究の整理や質的分析に関する方法の検討を行うとともに、平成30年度以降に実施予定の量的調査について検討を行った。平成30年度は、インタビュー調査の結果について、小学校中学年、高学年、中学校の事例に関して学会発表を行う。それととともに更に質的分析を進め、量的調査の項目抽出と予備調査を実施することを予定している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
環境の変化への対応、インタビュー調査の結果について分析方法の検討が必要と考えたこと等が研究の進捗状況に影響を与えた。平成29年度は分析方法の検討と選択に時間を費やし、インタビュー調査の結果分析に遅れが生じた。当初の予定ではインタビュー調査の分析結果を反映させて、平成29年度中に量的調査に着手(予備調査を実施)する予定であったがこれについては未実施である。
|
Strategy for Future Research Activity |
インタビュー調査の質的分析を進めるにあたり、研究協力を依頼した複数の人物に了解を得ている。また、量的調査(予備調査)の調査対象についても協力を得られる見通しであり、平成30年度の実施に向けて準備を行っている。
|
Causes of Carryover |
量的調査の実施に関する支出を予定していたが、平成29年度は量的調査を実施せず、支出の必要がなくなった。平成30年度に量的調査に着手すべく研究計画を変更したため、未使用の予算額はその用途で使用する予定である。
|
Research Products
(1 results)