2017 Fiscal Year Research-status Report
Reseach on modular representations and standard modules of association schemes
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17K05165
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
花木 章秀 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (50262647)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 代数的組合せ論 / アソシエーション・スキーム / 表現 |
Outline of Annual Research Achievements |
主にアソシエーション・スキームの正標数の体上での標準加群についての研究を行った。よく知られているように有限群の群環について、その正則加群が直既約になるための必要十分条件は、群が p-群であり、係数体の標数が p であることである。同様のことがアソシエーション・スキームの隣接代数と標準加群についても得られないかという問題を考えた。 まず標数 p の体上で p-スキームの標準加群が直既約になることを、島袋修氏(長崎大学)との共同研究によって示した。その後、逆も正しいかどうかを考えたが、計算機を用いた計算で、反例が多く存在することが確認された。反例をよく調べたところ、そのすべてがシュアー的ではないことに気づき、一般にこれを証明した。すなわち、シュアー的アソシエーション・スキームに限れば、p-スキームであることと、標数 p の体上の標準加群が直既約であることは同値である。 また H. Blau によって定義された reality-based algebra (以下 RBA)についての研究を行った。これはアソシエーション・スキームの隣接代数を特別な場合として含む概念となっている。RBA の表現に関する基本的なことをいくつか示し、それを用いて RBA に対する Frobenius-Schur の定理を証明した。すなわち、RBA の任意の既約指標に対して 0, 1, または -1 の値が定まり、それを用いて対応する表現が実表現として実現できるかなどを判定できるという内容である。これは指導学生の安藤羅崇汰氏(信州大学)との共同研究である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の主なテーマに大きく関係する、p-スキームと標準加群の直既約性に関する結果を得ることができた。標準表現の double centralizer に関する研究にも着手し、現在進展中である。また関連する話題として reality-based algebra に対する Frobenius-Schur の定理の一般化もできた。以上のことから、研究は順調に進んでいると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通りにアソシエーション・スキームのモジュラー表現と標準加群の研究を行う。特にモジュラー標準加群の double centralizer に関する平成 30 年度は研究を進め、研究集会での発表、論文作成を行う予定である。アソシエーション・スキームの指標理論の発展、および構造論への応用についても並行して行ってゆく。
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Causes of Carryover |
計算機の購入を次年度に行うことにしたため。また信州大学理学部数学科の学科長であり、不慮の事態(同僚の現職教員の死亡)に対応して、予定していた出張をキャンセルしたため。 次年度使用額は、平成30年度請求額と合わせて、計算機の購入及び旅費として使用する。
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Research Products
(7 results)