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2020 Fiscal Year Research-status Report

ファノ多様体の極限の複素解析的手法による研究

Research Project

Project/Area Number 17K05233
Research InstitutionFukuoka University

Principal Investigator

佐野 友二  福岡大学, 理学部, 教授 (00399792)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2022-03-31
Keywordsトーリックファノ多様体 / ケーラーアインシュタイン計量
Outline of Annual Research Achievements

当初の計画を修正しトーリックファノ多様体の構造を調べケーラーアインシュタイン計量の存在問題,特にK安定性とのつながりを調べている.本年度は,以下の研究を行い成果を得た.
2019年度末に佐藤拓氏(福岡大学)と須山雄介氏(大阪大学)との共同研究において,第二チャーン指標が正であるようなトーリックファノ多様体の分類を行なっていた.この研究は代数多様体上の有理曲面の研究から端を発しており,これは代数多様体上の有理曲線の理論の一般化に相当する.2019年度においてはプログラム(javascript)とデータベース(Polymake)を用いて7次元までの分類をし,第二チャーン指標が正であるようなトーリックファノ多様体は射影空間しかないことを示した.2020年度はプログラムをPolymakeのインターフェイス言語であるperlに書き換え,8次元においても同様の結果が成り立つことを示した.この結果はKUMAMOTO JOURNAL of MATHEMATICSに掲載予定である.この結果より,一般次元でも同様の結果が成り立つことが予想され,現在も研究を継続している.
また,本研究課題の一つであったトーリックファノ多様体のK安定性とケーラーアインシュタイン計量の関係についても考察した.ケーラーアインシュタイン計量の存在を経由することで,トーリックファノ多様体の扇から得られる多面体の極双対多面体(モーメント像)の重心が原点であるならば多様体はトーリック退化に対してK安定であることがわかる.Berman-Berndtssonにより,この関係に対する直接証明が与えられていたが,2次元の場合に単純な区分的凸関数を用いて極双対多面体の幾何的な特徴を利用した証明を考察した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の計画では複素解析的手法を用いてK安定性を調べることであったが,研究遂行の過程でトーリック多様体に限定し,対応する多面体の構造からK安定性を調べる方針へ変更した.その結果,トーリックファノ多様体に対応する扇から得られるファノ多面体の極双対多面体(運動量写像の像)の重心とファノ多面体の不変量の関係を明らかにし,現在論文を投稿中である.また計画の中の一つであった極双対多面体の重心が原点であることとK安定性の関係についてもすでに証明されていた事実ではあったが別の観点からの知見を得ることができた.また第二チャーン指標に着目したトーリックファノ多様体の分類問題も継続して研究を行なっている.方針を転換することで遅れていた分を補う成果を実感している.2020年度は新型コロナウィルスの影響により予定していた研究活動ができなかったが,事業期間の延長により,現在進行中の研究を事業期間内にまとめる予定である.

Strategy for Future Research Activity

本事業の最終年度の予定であった2020年度は新型コロナウィルスの影響で予定した通りには研究を遂行できなかった.特に研究集会やセミナーなどへの参加が十分にはできなかった.この状況は2021年度も続くと思われる.2021年度は昨年度行う遂行する予定であった研究課題,特に第二チャーン指標が正であるようなトーリックファノ多様体の分類問題を中心に取り組む.これまでに解決の道筋を立てることができたので,今後は共同研究者(佐藤拓氏(福岡大学),須山雄介氏(大阪市立大学))と証明の細部を詰めていく.これにより,トーリックファノ多様体の構造についての新しい知見を得られると期待している.第二チャーン指標は第二チャーン類を含むことから,ケーラーアインシュタイン計量と第二チャーン類との関連についても考察することも考えている.現段階では対面での研究打ち合わせを行う予定ではいるが,状況に応じては遠隔での研究打ち合わせも検討する.

Causes of Carryover

新型コロナウィルスの影響により,予定していた出張計画はほぼ実行されなかった.そのために予算を執行することができず次年度使用が生じた.2021年度も研究集会参加のための出張や対面での研究打ち合わせが難しい状況が想定される.その場合,遠隔での研究打ち合わせなどに切り替える必要がある.円滑なコミニュケーションを行うにはマイクやカメラなどの機材が重要である.旅費に予定している予算をそのような機材購入に使用する予定である.また,トーリックファノ多様体のデータベースを扱うには処理能力の高いコンピューターを用いたほうが計算時間を短くすることができる.研究上必要となった場合,新規コンピューターの購入も検討する.

  • Research Products

    (3 results)

All 2021 2020 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 1 results)

  • [Int'l Joint Research] Universite de Bretagne Occidentale(フランス)

    • Country Name
      FRANCE
    • Counterpart Institution
      Universite de Bretagne Occidentale
  • [Journal Article] Toric Fano manifolds of dimension at most eight with positive second Chern characters2021

    • Author(s)
      Sano Yuji, Sato Hiroshi, Suyama Yusuke
    • Journal Title

      Kumamoto Journal of Mathematics

      Volume: 34 Pages: 1-13

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] A Moment Map Picture of Relative Balanced Metrics on Extremal Kahler Manifolds2020

    • Author(s)
      Sano Yuji、Tipler Carl
    • Journal Title

      The Journal of Geometric Analysis

      Volume: - Pages: -

    • DOI

      10.1007/s12220-020-00510-2

    • Peer Reviewed / Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2021-12-27  

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