2018 Fiscal Year Research-status Report
多重分岐曲面の3次元多様体への埋め込み(グラフ理論と3次元多様体論の融合)
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17K05262
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
小沢 誠 駒澤大学, 総合教育研究部, 教授 (50308160)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 多重分岐曲面 / 3次元多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
Scott A. Taylor氏の『Another proof the Kinoshita graph is knotted』(arXiv:1803.05474v1)について、別証明を4つ提示した。この結果、元々のNorwoodの定理を用いる証明に加え、2-string tangleを用いるよりシンプルな証明を追加し、『Two more proofs that the Kinoshita graph is knotted』(arXiv:1803.05474v2 )と改題して、共著で発表することとなった。この論文は、2018年10月18日にAmer. Math. Monthlyから受理された。 Kai Ishihara, Yuya Koda, Koya Shimokawa氏との共同研究において、3次元多様体に埋め込まれた多重分岐曲面が近傍同地である為の必要十分条件を与えた。この結果は、論文『Neighborhood equivalence for multibranched surfaces in 3-manifolds』(arXiv:1806.08919)としてまとめ、2019年2月8日にTopology and its Appl.から受理された。この結果を含む多重分岐曲面に関する結果について、2019年2月22日に「Coloquio Queretano del IMUNAM - Juriquilla」において「Multibranched surfaces in 3-manifolds」として発表した。 Ryan Blair氏との共著論文『Height, trunk and representativity of knots』が、2018年12月27日に、J. Math. Soc. Japanから受理された。この結果について、2018年8月2日に「International Congress of Mathematicians 2018」において「Trunk and representativity of knots」として発表した。 Ryan Blair, Alexandra Kjuchukova氏との共著論文『The incompatibility of crossing number and bridge number for knot diagrams』が、2019年3月18日にDiscrete Mathematicsから受理された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Kai Ishihara, Yuya Koda, Koya Shimokawa氏との共同研究において、3次元多様体に埋め込まれた多重分岐曲面が近傍同地である為の必要十分条件は、IX及びXI変形とイソトピーで移り合うことであることが分かった。この結果を受けて、多重分岐曲面の近傍同値類上で、半順序を定義することに成功した。この研究は、論文『A partial order on multibranched surfaces in 3-manifolds』として、現在まとめている最中である。既に、2018年12月9日に「2018年度琉球結び目セミナー」にて、2019年3月9日に「Geometric Topology of low dimensions」にて結果のアナウンスをしている。 2019年2月に、UNAM Campus Juriquillaにおいて、Mario Eudave-Munoz氏と多重分岐曲面の3次元多様体への埋め込みに関する共同研究を行った。この結果は、論文『On the genera of multibranched surfaces of (graphs)$\times S^1$』としてまとめている最中である。
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Strategy for Future Research Activity |
与えられた正則な多重分岐曲面が3次元球面に埋め込めるか、埋め込めないか判定することが最重要問題である。 3次元球面に埋め込める多重分岐曲面については、先に定義した半順序に関して、極小元を決定付けることが目標である。 一方、3次元球面に埋め込めない多重分岐曲面については、マイナーに関する極小元を決定して、クラトフスキーの定理の3次元への拡張を目標とする。
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Causes of Carryover |
2019年3月22~26日に、広島大学に出張し、古宇田悠哉准教授と共同研究の打ち合わせを行った。出張経費は、2019年度の予算から計上した。この為、次年度使用額が生じてしまった。
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Research Products
(11 results)