2021 Fiscal Year Annual Research Report
Research on supermassive stars in the early universe considering the effects of rotation
Project/Area Number |
17K05380
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梅田 秀之 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (60447357)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 超巨大質量星 / 初代星の進化 / 超巨大ブラックホール / ニュートリノ / 重力波 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の研究成果の中で本研究課題に最も関連するものはNagele他(2021)として査読誌に掲載したものである。この研究では宇宙初期に形成された超巨大星の進化を追い、一般相対論的流体力学コードを用い、重力崩壊、ブラックホール形成、そして崩壊に伴うニュートリノ放出の光度曲線を計算した。特にこれまでの研究では指摘されていなかった超巨大星の星の崩壊に伴うニュートリノ放出時には、星の中心部は比較的低密度であるにも関わらず、ニュートリノのトラップ現象が発生することを初めて指摘し、その計算結果を示した点は新しい結果であった。 その他、Hijikawa他(2021)やTanikawa他(2021)の論文においては、初代星の連星が大質量ブラックホール連星となり、現在の地上から重力波として観測される場合の質量の組や、その頻度などを計算した。これらの結果は今後の重力波観測結果を解釈する上で有用な指針を与えることが期待できる。 本研究課題全体を通して、まず自転する超巨大星の進化を計算する星のコードを開発することに成功し、その結果を2020~2021年に査読誌に掲載した。この親星モデルの重力崩壊や爆発を計算する一般相対論的な流体力学計算コードも研究期間中に開発したが、それは1次元のものであるので、重力崩壊や爆発のシミュレーションへの応用としては、極めて低速回転しており、球対称近似でも問題のないケースの計算にとどめたが、より速い自転の場合にも対応できる、一般相対論的多次元流体計算コードの開発は次の研究課題へと引き継いで行く計画としている。
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