2018 Fiscal Year Research-status Report
Physics of Friction and Sliding
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17K05586
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
松川 宏 青山学院大学, 理工学部, 教授 (20192750)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 摩擦 / 速度状態依存摩擦則 / アモントンークーロンの法則 / 粉体 / 濡れた砂 / ベルト / オイラー理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
I. 摩擦力の速度・待機時間依存性の微視的研究 摩擦は真実接触点の凝着、破壊により生じる。摩擦に関しては1,摩擦力は見掛けの接触面積に依らない、2,摩擦力は荷重に比例する、3,動摩擦力は滑り速度に依らず最大静摩擦力より小さい、というアモントンークーロンの法則が成り立つ事がよく知られている。申請者はこれまで凹凸のある表面に関して1,2が成り立つ事を解析的に示してきた。一方、3は広い速度領域で見た場合はなり立たず一般には滑り速度に依存すること、それは真実接触点の破壊の熱揺らぎによる助長、真実接触点の面積(真実接触面積)の接触時間による増大によると考えられている。後者も、定常状態では接触時間は滑り速度に反比例するため、速度の増大により接触時間は短くなり、摩擦力の速度依存性を引き起こす。減少を引き起こす。通常、摩擦力の速度依存性は速度による摩擦係数の変化を議論するが、我々は摩擦係数の絶対値を求めた。そしてこれまで考えられてきたこととは異なり、速度依存性が非単調になり得ること、速度0極限の摩擦力が0となり得ることを示した。 II. 水分を含んだ粉体のレオロジー特性、摩擦特性の研究 濡れた砂の摩擦特性は粉体の摩擦挙動に対する水分の効果の典型例として興味深い。実験的研究により、砂の濡らし方によって摩擦特性が変わること、乾いた砂より濡れた砂のほうが摩擦力が下がる場合があることを示し、その機構を明らかにした。 III.ベルトと円柱の間の摩擦 ベルトと円柱の間の摩擦はオイラーにより調べられベルトの巻き数に対して指数関数的に増大することが知られている。我々は調ベルトと円柱の間の摩擦を調べ、オイラー理論とはこベルトと円柱の間の摩擦を調べ、部分的前駆滑りのため、オイラー理論より有意に摩擦力が減少しうることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記したようにおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要に記した研究をさらに推し進めるとともに、原子、分子スケールの摩擦研究を主に計算機シミュレーションによって進める。
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Causes of Carryover |
2018年度は予定していた海外での国際会議への出張、研究発表がスケジュールの都合によりできず、また実験的研究において生じた問題の対処のため、予定していた物品の購入が遅れた。2019年度は研究成果を海外での国際会議において発表する予定であり、実験も進む目処がつきつつあるため、出張旅費、物品費を使用する予定である。
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Research Products
(2 results)