2017 Fiscal Year Research-status Report
Extension of X-ray stress measurement to coarse grained materials an small area
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17K06046
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鈴木 賢治 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (30154537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城 鮎美 (瀬ノ内鮎美) 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光科学研究所 放射光科学研究センター, 研究員(定常) (60707446)
菖蒲 敬久 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 物質科学研究センター, サブリーダー (90425562)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 二重露光法 / 粗大粒 / X線応力測定 / シンクロトロン放射光 / 平行ビームX線 |
Outline of Annual Research Achievements |
二重露光法によるX線応力測定を実現するために,A) 入射X線の発散のない放射光を利用し,二重露光法によるX線応力測定が粗大粒に有効なことを実証的研究.B) ラボX線における二重露光法の実現のために,入射X線の発散角を小さくする光学系(平行ビーム)の実現の2つの柱で研究した. (A) 1. 粗大粒材としてアルミニウム合金(A5052)を選定し塑性曲げおよび圧痕材の3種を試験片の製作.2. SPring-8のビームライン(BL22XU)にて二重露光法による粗大粒の応力測定を実施した(X線エネルギー30keV).3. 検出器として計数型2次元検出器PILATUS-300Kを利用.検出器を2θアームのx軸ステージに搭載.4. 塑性曲げ材および圧痕材の二重露光法を実施した.5. 二重露光法の回折斑点像から斑点を検出し回折角を計算する専用システムを開発した.6. 圧痕材の測定結果と有限要素法の解析結果はよく対応していた.以上のことから,二重露光法は粗大粒の応力測定法として有効である. (B) 1. Mn-Kα特性X線によるγ-Fe 311回折を二重露光法で測定するために回折装置の改良を完了.2. 2次元検出器として,IPを用いた.3. モノクロメータによる平行ビームX線光学系を作り,入射X線の平行度と二重露光法による回折角度の測定精度を検証した.graphite{0002}を用いて平行ビームX線を作成した.明るい平行ビームが実現できたが,平行度が十分ではなかった.次に単結晶Si {100}を試してみた.平行度はよかったが,回折強度が低かった.さらに,単結晶Si{111}を試した.平行度は優れており,回折強度はSi (100)よりも強かった.4. 単結晶Si{111}によるX線平行ビームを作成し二重露光法を実施できる装置を作成した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画においては,二重露光法によるX線応力測定を実現するために,次の2つの柱について研究する. 1) 入射X線の発散のない放射光を利用し,二重露光法によるX線応力測定が粗大粒に有効なことを実証する.2) ラボX線における二重露光法の実現のために,入射X線の発散角を小さくする光学系(平行ビーム)を準備する.としていた. 平成29年度の研究においては,以下のことを達成した. 1) 入射X線の発散のない放射光を利用し,二重露光法によるX線応力測定が粗大粒に有効なことを実証できた.2) ラボX線における二重露光法の実現のために,入射X線の発散角を小さくする光学系(平行ビーム)を実現した. 以上のことからおおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
A) 放射光を利用した二重露光法の開発 当初の計画では,原子力機構専用ビームライBL22XUを利用する計画を予定していたが,当該ビームラインはRI等に属しており,福島第一原子力発電所の廃炉に関連した実験が予定されており,本研究に利用するビームタイムが確保できない問題が起きている.その対策として,量子科学技術研究開発機構の専用ビームラインBL14B1に実験ビームラインを変更し,研究を実施できるように鋭意交渉をしている.なお,ビームラインBL14B1は,白色を特徴としている.1)白色を利用した二重露光法の有効性について検討を行う.2) 白色に対応した新たな2次元検出器(高エネルギー対応)を開発しているチームと共同研究を実施する. B) ラボX線を利用した二重露光法の実施 これについては,ラボX線による平行ビームを実現しているが,X線強度が弱い問題がある.そのため,真空パスなどを用いて入射X線の強度をアップする対策も考えながら,X線応力測定を実施する.SUS316Lの応力測定を実現する. AおよびBの柱において,二重露光法が実現できたならば,電磁鋼板(平均粒径300μm)などを対象に残留応力の測定に挑戦したい.
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Causes of Carryover |
出張(3/26)の旅費16,429円が、4月に支払いとなるために残額となっている。この残金については、年度内の基金の使用になり、実質上の次年度繰越はなく、使用計画に変更はない。
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Research Products
(4 results)