2018 Fiscal Year Research-status Report
プラズマガス内包ナノバブル添加スラリーによるSiC基板の高能率研磨加工法の開発
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17K06094
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
畝田 道雄 金沢工業大学, 工学部, 教授 (00298324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 泰久 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (40252598)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | SiC基板 / プラズマガス / ナノバブル / CMP / 高能率 / 表面改質 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度における本申請研究は「開発フェーズ」として,プラズマガス内包ナノバブル添加スラリーの性能評価に加えて,より強いプラズマガス内包の効果を発現させることを目的に,同スラリー生成および新供給装置の設計と開発を行った.具体的な実施項目は次のとおりである. (1)プラズマガス内包ナノバブル添加スラリーをSiC基板に供給することによる表面改質現象の確認:同スラリーをSiC基板に供給することによって,SiC基板の極表層(特にSi面)で生じる表面改質効果を確認するため,ナノインデンテーション試験を行った.その結果,表層約10nmの領域において表面が改質され,硬度が低下するということを確認することができた. (2)より強力な同スラリーの精製方法の検討と新装置の開発:平成29年度に試作した専用装置は全て自作によるものであったが,汎用品を導入出来る部分は導入した新装置を設計・開発することを通じて,より強力なプラズマガスを内包させることに成功した. (3)上記(2)の装置を用いることによるSiC基板の研磨テストを通じた性能検証:平成29年度の(自作)専用装置においてはSiC専用スラリーの約7割に迫る研磨レートの取得に留まったが,新装置によって,SiC専用スラリーと同等レベルの研磨レートの取得に成功した. (4)研磨レート以外のパラメータによるメカニズム考察:汎用スラリー並びにプラズマガス内包ナノバブル添加スラリーのそれぞれでSiC基板を研磨した場合における摩擦係数の時間変化を通じて,酸化膜層の精製と除去過程の考察を試みた.特に,プラズマガス内包ナノバブル添加スラリーでは摩擦係数の変動が大きく,表面改質と研磨による除去が繰り返し行われていることを推察できる結果が得られた.今後は新装置の諸元最適化を試みることによって,さらに高い研磨レートの取得と摩擦係数等を通じたメカニズム解明を目指す.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で記したとおり,おおむね当初の計画通りに研究を進展させることができている.特にプラズマガス内包ナノバブル添加スラリーによってSiC基板の極表層を表面改質できる効果を確認できたことに加えて,より強力な同スラリーを生成できる新しい装置を設計試作・開発し,SiC専用スラリーと同等レベルの研磨レートの具現化に成功している.現在,さらなる高みとメカニズム解明を求めて,鋭意研究活動を進めているところである.
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Strategy for Future Research Activity |
申請調書にも記載したとおり,多様な専門を有するアドバイザーと適宜コンタクトを取りつつ,独創性ある本研究を進展させる.
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Causes of Carryover |
平成30年度は第2年度として必要予算を適切に管理しながら研究活動を行ったためであり,次年度使用額が約6万円であることは適切な範囲内であると判断する.
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Research Products
(1 results)