2019 Fiscal Year Research-status Report
プラズマガス内包ナノバブル添加スラリーによるSiC基板の高能率研磨加工法の開発
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17K06094
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
畝田 道雄 金沢工業大学, 工学部, 教授 (00298324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 泰久 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (40252598)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | SiC基板 / プラズマガス / ナノバブル / CMP / 高能率 / 表面改質 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成31年度(令和元年度)における本申請研究では,「開発フェーズ」を継続して行った.すなわち,プラズマガス内包ナノバブル添加スラリー(以下,プラズマガススラリー)のより詳細な性能評価を行うとともに,効果(メカニズム)考察のための試みを行った.具体的な実施項目は次のとおりである. (1)プラズマガススラリーをSiC基板に供給することによる表面改質現象の確認(継続):プラズマガススラリーによるSiC基板の表面改質現象を確認するため,ナノインデンテーション試験を継続して行うとともに,新規にXPS分析(X線光電子分光分析)を行うことを通じて,基板極表層における結合状態レベルに至る考察を行った.その結果,プラズマガススラリーを用いることで極表層に反応生成物を形成できていることが確認できた. (2)プラズマガススラリーの使用による研磨速度向上効果の確認:平成30年度に新規構築したシステムを用いた実証実験を行うことを通じて,プラズマガススラリーを用いることで汎用スラリーの約3倍の研磨速度向上を確認することができた. (3)プラズマガススラリーによる研磨速度向上効果の考察:研磨プロセス中にモニタリング可能な摩擦係数の挙動から,プラズマガススラリーによる研磨速度の向上効果は摩擦係数の変動にあることを解明した.すなわち,In-situで反応生成物の形成と除去が繰り返されていることによって摩擦係数が変動し,それと同時に行われる反応生成物の形成と除去の繰り返しプロセスが研磨速度の向上に寄与していることを明らかにした. (4)研究総括としての外部公表:本申請研究の成果を広く対外的に公表すべく準備を進めていたが,COVID-19の影響によって成果発表の機会を得ることが難しくなったことから,延長申請を行うことで対応することにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要で記したとおり,研究活動自体はおおむね当初の計画通りに進展させることができている.一方,COVID-19の影響によって成果発表の機会を得ることが難しくなったことから,ここでは「やや遅れている」と判断するとともに,延長申請を行うことで対応することにした.
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Strategy for Future Research Activity |
申請調書にも記したとおり,今後も引き続いて多様な専門を有するアドバイザーと適宜コンタクトを取りつつ,独創性のある本研究を進展させる.
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Causes of Carryover |
平成31年度(令和元年度)は第3年度として必要予算を適切に管理しながら研究活動を行ってきた.一方,COVID-19の影響が見え始めた頃(令和2年2月)から対外的な発表(成果公表)の機会を得ることが難しくなり,その結果,延長申請を行うことで対応したものである.したがって,次年度使用額が約25万円程度あるが,妥当な範囲内であると判断するものであり,学会参加費やそれに関わる旅費として充当する予定である.
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Research Products
(2 results)