2018 Fiscal Year Research-status Report
テーラードCFRTPのプレス成形における面外せん断とスプリングバックの関係
Project/Area Number |
17K06100
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Research Institution | Gunma National College of Technology |
Principal Investigator |
黒瀬 雅詞 群馬工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (10280356)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | CFRTP / ハット曲げ / テーラードブランク / プレス成形 / 金型 / 3Dプリンタ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではCFRPにおけるテーラードブランク材に注目し,差厚位置がブランク材のプレス成形性および成形品のねじり強度に与える影響を調べることを目的として,解析と実験を用いて差厚位置の異なるCFRPテーラードブランク材のハット曲げ成形を行い,ひずみ分布と成形形状,ねじり強度を評価した. モデルは一方をクランプし,他方をフリーにしたハット曲げ成形とし,2次元形状に簡略化した.解析では成形挙動と成形品のひずみ分布を調べ,実験ではスタンパブルシートの作製から成形実験,成形形状測定を行い,差厚位置と成形性の関係性を調べた. 成形材の強度評価のためねじり試験を行い,成形温度と差厚位置とねじり強度の関係についても検討した. その結果,以下の知見が得られた. 1)CFRPテーラードブランク材は差厚位置を自由側にするほどプレス成形過程において厚肉側縦壁面部に局部くびれが発生するような成形不良が生じるため,クリアランスを大きくとる必要がある.2)ハット曲げ成形品薄肉側の縦壁面部とフランジ部のスプリングバック角はともに差厚位置が固定側から自由側になるほど小さくなった.したがって,テーラードブランク材のプレス成形性は差厚位置が断面積の大きくなる自由側にあるほど良好になると考えられた.3)テーラードブランク成形品のねじり強度はヒステリシスループ差が大きく,ねじる方向によって強度の違いがみられた.つまり,本条件では差厚位置が板厚の薄くなる自由側に時計回りする方が強度は高くなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通り,テーラードブランク材を自作し,ハット曲げ成形を行い,成形品のねじり試験を実施している.成形用の金型は金属ではなく,3Dプリンタで作製しているため,耐熱温度が低く,十分な成形条件を得られていないことが欠点である. 実験では異方性を考慮し,繊維配向の影響を調べるとともに,材料パラメータ同定ソフトMatparaを用いて,温度とパラメータの関係を作成し,温度履歴によるCFRTPの成形シミュレーションによって,成形形状やスプリングバックを得ることができた.その解析結果と実験結果を比較し,成形評価を行うことができたことから概ね順調と判断している.
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Strategy for Future Research Activity |
3D樹脂成形プリントによる型の作成は温度に対する優位性が低いことから,金属3Dプリンタで成形を計画している.スケルトン構造の金型として冷却効率を高め,温間成形であるCFRTP成形の成形時間短縮化を図る. 成形モデルは2次元形状から3次元形状を検討し,絞り形状を検討している.解析は冷却過程をサブプログラムで走らせ,型の温度伝達と材料の温度伝達を比較するとともに,収縮によるスプリングバックを調査する.実験では,シングルアクションプレスを検討し,ブランクホルダを設置し,絞り成形ができるように検討する.
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Causes of Carryover |
3カ年計画研究を進めるため,最終年度の材料費として振り分けることとした. 最終年度もシミュレーションソフトの費用が発生するため,繰り越して使用することとした.
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