2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K06132
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Research Institution | Nagano National College of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 伸哉 長野工業高等専門学校, 電子制御工学科, 准教授 (90616129)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 公差解析 / 幾何公差 / 公差設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,公差解析に関する学術研究を広く調査・収集して体系化し,その過程で全体を俯瞰して不足点を補い,公差解析を学術として発展させることである.これまでの海外のディメンジョナルエンジニアへの調査と,文献調査に加えて,ソフトウェアへの発展を調査するため,3次元公差解析ソフトウェアの代表的なものとして,米Sigmetrix社のCETOL 6σと,米Statistical Design Institute LLCのApogeeを購入して機能を調査した. これまで調査した中で,着目している「がた」について,これまで調査していなかったダイアモンドピンをテーマにした研究を行い,16th CIRP Conference on Computer Aided Tolerancingにて発表した. 調査した結果を,日本設計工学会の学会誌「設計工学」の2021年5月号で公差解析をテーマにした特集を組んで報告する,特集では,それに加えて公差解析の研究者や,公差解析ソフトのエンジニアによる記事も加えて,総合的な公差解析の特集とする.さらに,設計工学会の2021年度春季大会研究発表講演会において,設計フォーラム「JIS B 0625公差解析用語と,公差解析システムの最新動向」として,本研究の成果を発表する. さらに,研究の過程で,公差解析に関わる用語が統一されておらず,また明確な定義がないという問題に直面した.そこで,設計工学会内で公差解析用語JIS 原案作成委員会を立ち上げ,幹事として用語の選定と定義に携わり,2021年3月22日に,JIS B 0625:2021公差解析用語が制定された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
公差解析の調査は,およそ戦後~2000年ぐらいまでが完了した.公差解析の実務的な内容としては2000年までの研究内容でも十分に思える.ここまで調査した公差解析を体系化しようと試みたところ,公差解析の体系は,樹形図というよりも,ベン図のような形式にしたほうが実情を表しており,ISO GPS(幾何公差),統計学,多次元化・CAD・コンピュータ化,生産管理,公差の最適化といったカテゴリーに分類できた.
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Strategy for Future Research Activity |
これまで調査してきたおよそ2000年ぐらいまでの調査に加えて,2000年以降の,例えばinteria parameterといった比較的新しい概念についての調査を進め,すでにできた体系に加えてみたい. 本研究で調査した内容をまとめた書籍を執筆している.現在280ページほどの原稿ができ,執筆内容のチェックを監修者と行っている.2021年度末ごろ出版を目標にしている.
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Causes of Carryover |
本年度は旅費がほとんどなかったため,2万円ほどの残額が生じた. 残額は,翌年度に海外文献の購入に充て,さらに視野の広い調査を行う.
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