2017 Fiscal Year Research-status Report
Carbon Nanotube Forest Thermal Radiative Metamaterial
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17K06205
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
古田 寛 高知工科大学, システム工学群, 准教授 (10389207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PANDER ADAM 高知工科大学, システム工学群, 助教(PD) (10803869)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | カーボンナノチューブ / メタマテリアル / 熱工学 / 赤外線 |
Outline of Annual Research Achievements |
CNTフォレスト配線を用いた熱メタマテリアル構成要素技術を開発した。CNTフォレスト構造制御では、パルスガス供給制御により1μm高さの均一CNTフォレスト合成に成功した。赤外光吸収に関しては、合成条件を変え高さ20μmに調整した様々な密度配向性のCNTフォレストを詳細に解析し、低反射率0.077%(λ=750nm)のCNTフォレスト構造は4.5±1.7×10^12 CNT/cm2の成長密度で、高い配向性により反射率が低下したことを明らかにした[1]。高い赤外光吸収を期待するCNTフォレスト合成のためにランプ加熱CVD装置の立ち上げを行い、真空下で基板をランプ加熱する機構を整備した。 CNTフォレスト異方性構造体の作製に関し、赤外領域のCNTフォレストメタマテリアルパターンの吸収増大の効果について、CNTフォレスト内部の配向依存性を実験と計算から明らかにした。[2] 新規CNTフォレストメタマテリアルとして、霜柱状CNTフォレストをパンチングメタル形状に加工し赤外光吸収増大の効果を見出した。[3] [1] A. Pander K. Ishimoto, A. Hatta, and H. Furuta, Vacuum, accepted in press (2018).[2] A. Pander, K. Takano, A. Hatta, M. Nakajima, and H. Furuta, Diam. Relat. Mater. 80(2017)99-107. [3] H. Miyaji, A. Pander, K. Takano, H. Kohno, A. Hatta and H. Furuta, Diam. Relat. Mater. 83(2018)196-203.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度研究実施計画の(a1)CNTフォレスト構造制御技術、(a2)CNT成長方位制御とCNT異方性構造体の作製、(a3)CNTフォレストの電磁場吸収特性について、要素技術開発を計画に基づいて実施した。(b1)メタマテリアルパターン配線設計について計算による解析を行っている。 (a1)CNTフォレスト構造制御技術では、CNTフォレスト構造の密度4.5±1.7×10^12 CNT/cm2、長さ1~200μm)、層数1~複数、配向性(ランダムから垂直配向)のCNTを水素希釈パルスガス制御熱CVDにより達成した。(a2)CNT成長方位制御とCNT成長異方性構造の作製について、赤外光高効率吸収に有効と考えられる高配向性CNTフォレストの配向制御を行った。CNT電極構造体をメタマテリアル配線サイズで成長制御し、赤外光反射特性を顕微FTIR顕微鏡により評価し、メタマテリアルパターンであるスプリットリングレゾネータ(SRR)をCNTフォレストで構成するCNTフォレストメタマテリアルを作製し、内部のCNTの配向、SRR方向、電磁界偏光方向と吸収の関係を明らかにした。新規CNTフォレストメタマテリアルとして、触媒パターンをFIB微細加工した後熱CVD合成を行うことで、霜柱状CNTフォレストをパンチングメタル形状に加工することに成功し、顕微FTIR測定により、パンチングメタル形状に加工した霜柱状CNTフォレストでは、加工のない霜柱状CNTフォレストに対して赤外光吸収増大の効果を見出した。(b1)メタマテリアルパターン配線設計に関し、赤外光領域に周波数特性を持つCNTフォレストメタマテリアルパターンのFDTD計算を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、メタマテリアルパターン配線加工、CNTフォレストメタマテリアルの赤外領域応答特性評価を実施する。最終目標であるCNTフォレスト配線を用いた熱メタマテリアルの実証実験として、熱エネルギー貯蔵デバイスを実証するため、CNTフォレストメタマテリアルからの放射と熱リザーバーへの熱エネルギー貯蔵性能評価を開始する。 (b2)メタマテリアルパターン配線加工について、フォトリソグラフィー及びFIB加工によるCNTフォレストメタマテリアル配線加工プロセスを開発する。(b3)CNTフォレストメタマテリアルの赤外領域応答特性について、試作するCNTメタマテリアルの赤外領域評価によりFTIRスペクトルを取得し、赤外吸収特性を明らかにし、熱放射の指向性、波長選択性などの特徴について動作機構を明らかにする。ハロゲンヒータランプ加熱によるCNTフォレストメタマテリアルの熱伝導性および熱放射について、赤外放射カメラで画像評価し、設計した熱伝導性および熱放射特性を検証し、CNTフォレストからの異方性輻射と熱リザーバ電極構造へのエネルギー伝達を最大化する構造が得られる試作と構造設計をおこなう。
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Causes of Carryover |
当初概算見通しした見積もりよりも低く購入できたため。
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Remarks |
科研費の成果を広くアピールする目的でブログ形式で説明している。
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Research Products
(8 results)