2017 Fiscal Year Research-status Report
動作に伴う人体の形状変化を考慮したウェアラブルロボット用装具に関する研究
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17K06285
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Research Institution | Suzuka National College of Technology |
Principal Investigator |
打田 正樹 鈴鹿工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (80454437)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ウェラブルロボット / 3次元スキャナ / アシストロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度の研究目的は、人間の運動に伴う形状変化及び剛性変化を明らかにすることである。この目的のために以下を行った。 1.3次元スキャナを用いて上肢の運動に伴う形状変化及び皮膚のねじれ等の計測を行った。具体的には,上肢に関して3名の健常被験者に対して腕の屈曲時,進展時,回内時の形状変化の計測を行った。この結果,上肢の断面積に関しては,前腕二頭筋付近で15%~20%程度上肢の断面積が増加し,肘部で3%~8%程度増加しているこが確認できた。一方,三頭筋付近では断面積が減少しており,前椀部では断面積の変化がほぼ確認できなかった。また,回内させた場合の皮膚のねじれに関しては,前腕部と上腕部を比較すると前腕部の方がより多く変化することがわかった。その他,屈曲や回内を同時に行い計測した場合も,それぞれの変化を明らかにすることができた。 2.皮膚表面の剛性変化を計測するためのセンサの開発を行い,運動に伴う剛性変化の計測を行った。具体的には,ひずみゲージを用いた小型の力覚センサを製作し,上腕二頭筋付近にそのセンサを張り付け,肘関節を屈曲した場合の皮膚表面の剛性変化の計測を行った。現状では,センサの計測精度にばらつきがあるものの,肘関節の屈曲角度が増加するにしたがい,上腕二頭筋付近の剛性も高くなることがわかった。その変化量は,単純な単調増加ではないことも明らかにすることができた。他の場所に関しても剛性変化の計測を試みたが,その変化を計測することができなかった。 3.1と2から得られた知見をもとにウェアラブルロボット用の装具の設計を行った。具体的には,肘関節用の装具とし,屈曲に伴う断面積の増加が多い個所を極力避けた場所に装具を取り付けるものとし,皮膚のねじれに対応するために,人体の肘の自由度より自由度を多くした多関節の外骨格型の装具を設計した。現在,その装具を製作し,装着感と自由度の吟味を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請段階における研究計画に対して,概ね順調に研究を遂行できている。ただし,皮膚の剛性変化を明らかにするための計測装置に問題がありその問題の解決が課題である。具体的には,再現性が低くその改善が必要である。また,剛性の測定レンジが被測定対象に対して最適とは言えず,その解決も必要である。しかしながら,研究室レベルの知見としては,剛性変化が小さいところは,上肢の運動にと伴う形状変化も少なく,また,剛性変化が比較的大きいところは形状変化が大きいということがわかっており,この知見をもって装具を開発することは可能である。 一方,本研究の最終目的である快適なウェアラブルロボット実現に向けて,該当年度は計測結果から得られた知見をもとに,その装具の開発を行った。その中でウェアラブルロボットと装具を実現するための方針が固まりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
現在開発しているウェアラブルロボット用の多自由度装具の自由度と快適性との関係を明らかにする予定である。それは主観評価をもとに行う予定である。その後,その装具にアクチュエータを搭載しウェアラブルロボットへ発展させる。また,それと並行して,アシスト手法の確立も行う予定である。具体的には,人間の意図をくみ取る方法を確立する予定であり,現在様々なセンシング手法を検討もしくはセンサ自体の開発を行っている。最終的にはウェアラブルロボットの小型化を実現し,日常利用における臨床実験の中で改良,評価を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
主に研究に関する情報集及び打ち合わせに関する予定が変更となったため。
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