2017 Fiscal Year Research-status Report
International standardization of safety evaluation for millimeter wave exposure using large-scale accurate computation
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17K06288
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
柏 達也 北見工業大学, 工学部, 教授 (30211155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 健治 北見工業大学, 工学部, 准教授 (60435485)
平田 晃正 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00335374)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ミリ波帯 / 並列型ベクトルスーパーコンピュータ / 高解像度化 / 人体数値ボクセルモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
H29年度は「大規模精密解析に基づくミリ波帯人体ばく露安全性評価と国際標準化」として、主にミリ波帯における大規模人体電磁ばく露解析の足掛かりとなる以下の研究を行った。尚、研究内容については研究会等において積極的に発表を行った。 1)大規模人体電磁ばく露FDTD 解析プログラムの開発:人体電磁ばく露解析ではFDTD 法が広く用いられる。特にミリ波帯の全身SAR解析は数十~数百TB のメモリを要する大規模計算となる。本手法の計算速度はメモリバンド幅に大きく依存するため、計算の高速化は高いメモリバンド幅を有する並列型ベクトルスパコンが有効である。本年度は本計算機の性能を引き出した大規模高速計算を行うためにMPI+OpenMP+ベクトルチューニング技術を用いたベクトル型スパコン専用のFDTDプログラムを開発した。尚、計算機は東北大学のスーパーコンピュータSX-ACEを用いた。 2)高周波用人体数値ボクセルモデルの開発:高精度な人体ばく露解析を行うためには精巧な人体数値ボクセルモデル(以下、人体数値モデル)が必要となる。人体数値モデルとしては国内外でCT及びMRI等のデータから構築した幾つかのモデルが公開されているが、どのモデルもボクセルが1~3mm程度であり、本研究で対象としている周波数帯において、①分解能不足、②皮膚厚みの再現不足が電磁界解析結果に影響を与える可能性がある。本年度はこれらの問題点を克服するため、ポリゴンモデル技術を応用した既存ボクセルの高解像度技術及び皮膚厚みのコントロール技術を開発して、ミリ波帯で使用可能な高解像度人体ボクセルモデルを開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究を進めるにあたり、新たに高周波用人体数値ボクセルモデルの開発を行う必要性が生じたため、局所及び全身SARの解析を始めるのが多少遅れたがほぼ研究計画の通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度開発した大規模人体電磁ばく露FDTD解析プログラム及び高解像度人体数値ボクセルモデルを用いて局所及び全身SAR解析を行う。具体的には、1)無線端末による近傍電磁ばく露を想定した頭部局所SAR解析、2)遠方基地局を想定した電磁ばく露に対する全身SAR解析を実施し、国際ガイドラインとの比較を行う。また、皮膚厚みなど人体パラメータがSAR値に及ぼす影響についても調査する。尚、計算速度及び精度を向上させるためにばく露解析プログラム及び高解像度人体モデルの改良も随時行う。
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